御伽症・シンデレラ

童話の世界にあこがれたことはないだろうか。

私はシンデレラの世界にあこがれた。そのせいでこんなこんな体になってしまった。私は御伽症だ。物語は日本では珍しい国外の物語が元になった。シンデレラ。あこがれた物語。カボチャが馬車に、ネズミが馬に。これが印象に残っている。

そんな願いを叶えた能力シンデレラを紹介しよう。

題名[シンデレラ]

能力[物体を構築する物質を変える能力]

副作用[体積一立方センチメートルを変化させるのに10000kcal消費する

   性別が反転する]

いつも思うけど副作用がきつい。なに?一立方センチメートルにつき10000kcalって。多すぎでしょ。

性別反転が霞んで見えるほどやばい量。ただこの能力なら貴金属も作り出せる。

…何もやましいことには使ってないよ。まあその程度にやばい能力。

副作用の都合上私は中性的な服しか着れない。

幸いなことに女の私はまな板どころか絶壁だけど。


そして今日は私の誕生日。今日は幼馴染の佐原謙太と買い物に行く。いろいろあって健太とはほとんどずっと一緒に行動してる。一緒にいないのは御手洗いの時ぐらい。だから今日の買い物もいつの通り。下校の時からどこに行くのか話す。買い物は久しぶり。確か一週間前にカレーの材料を買いに行ったのが最後だったはず。完全に趣味の買い物は一か月前ぐらいに本を買いに行ったのが最後だった気がする。新しい本なんか出てないかな。今日行くのはいつも行く小さめの書店じゃなくて大きい書店が入ってるショッピングモールだから在庫もいっぱいあるはず。


まず最初に来たのは服屋。謙太に誘われた。最初は本をさっさと買いに行きたかったけど途中から超楽しかった。季節が変わると全然違う。色味とかかわいいのいっぱい出てたし気づいたらもう一時間経ってしまった。幸せだけど謙太が何も見に行けない。やらかした。

謙太は色々あって私と常に一緒にいなくてはならない。だから探す必要がない。隣を見ればいる。それが私たちの距離感。

その後健太に謝り本屋に行く。服は何も買わなかった。本屋ではいつも買ってる人の本が出てた。

今日ほんとに幸せだ。浮かれた。その後ちょっとした間食にフードコートに誘われた。

そこで何か欲しものはないかと謙太に聞かれた。欲しいもの…服はもう結構ある。今日買わなかったのだって好みなのがなかったからだし、ほかに私がお金を使うのは本ぐらいだし。その本も今日欲しいもの買っちゃったし。本当にないんだけど。


一つ思いついた。23時間55分一緒いる仲なのにおそろいのもの持ってなかった。結局二人でお揃いのアクセサリーを買うことになった。割り勘だと思ってたのになんぜかおごると言い出した。こういう時意地の張り合いだと絶対に勝てないので諦めて奢ってもらう。

おこずかいの関係で安いやつしか買えなかった。そのことに気づいた謙太が泣きそうでなだめるのが大変だった。やっぱり一人で二人分のアクセサリーは無茶だったらしい。

こういう時にシンデレラ使わなかったらいつ使うんだって話だよね。

もちろん二人分20000kcal、使ったよ。正直超お腹が空いた。

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