御伽症・かぐや姫、大きな蕪

私は御伽症だ。それも珍しい二種類。題名はかぐや姫と大きな蕪。かぐや姫、元は竹取物語。私は一番最初の場面。かぐや姫が竹の中で寝ている所に心惹かれた。私はあれ宇宙船だと思う。

その解釈が具現化した能力が私のかぐや姫。

題名[かぐや姫]

能力[月橋と言う竹型の乗り物を作り出す能力。]

副作用[月橋が使うエネルギーに応じて睡眠欲がます。]

わかりやすく言うなら月橋の動力=副作用と言うこと。この動力は今のバイクとかと同じで速さや動かすものの重さで決まる。「慣れとは恐ろしいもの」とかよく言うけど本当にその通りだと思う。初めてこれを使った時は小さい子供を乗せるのがやっとだったのに今や痩せた高校生なら乗せても余裕なのだから。


そして鬱陶しいことに不良に絡まれてしまった。私が可愛いのは認めるしこの容姿のせいで遊んでる様に見えるのも納得してたけどここまであからさまに絡まれたのは初めてだ。

さて私のかぐや姫の戦闘力はほとんどないし大きな蕪もここだと似た様なもの。月橋をぶつければ痛いんだろうけど人が痛がるほどの馬力を出そうと思ったら眠くてやばいことになる。たぶん倒れると思う。

どうしようかと悩んでいたら不良がお腹おさえて倒れた。それはまるでお腹を殴られたみたいに。それの現象の後すぐ悲鳴が聞こえた。あんな芸当ができるのは御伽症患者だけだと思う。そしてラグがあるのも珍しくない。だから多分悲鳴を上げた人が私のことを助けてくれた人。悲鳴の聞こえた方へ行ってみると女の子が倒れてた。さて倒れている人を運ぶのはか弱い私にはできないことだ。つまり心苦しいが置いていくか。しばらく観察していると苦しそうに悶えているのがわかる。これが私のことを助けようとして出てきた副作用なら…一応運んでおくか。もし違くて単なるヤバい人でも私の部屋なら大きな蕪で対応できる。

頑張って月橋に乗せて眠気に負けないように気を張りながら寮に帰る。

寮母さんはなんかよくわからない耐性がついてしまったのか、私が信用されているのか事情を話すだけで済んだ。最初のうちはもっと色々手順を踏むように言われたんだけど。

部屋に帰ってから女の子をベットに寝かせる。…羨ましい。私のベットなのに。これで私を助けてくれた人と無関係だったらボコしてやる。覚悟を決める。

部屋にいたら女の子を蹴落としてベットに入りそうなので、廊下に出ていたら部屋から物音が聞こえた。多分起きた。よかった。副作用何かわかんなくて対応がわかんなかったけど寝かしておくで正解だったらしい。

警戒されてる。起きた?って聞いただけなのに能力使われそうになった。これはもう今日は警戒解けなそうだな。ただこれで確実になった。この子が私のことを助けてくれた人だ。ただお礼を言わせてくれる雰囲気じゃない。しょうがない、もう帰ってもらうか。

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