【十二月十五日】二十三回目の

 夜中にふと目が覚めてデジタル時計を見れば、日付を跨いで十二月十五日になっていた。隣を見れば布団を蹴飛ばして呑気にイビキをかいて眠る久哉。このふてぶてしい弟ともあと三ヶ月もすればお別れなのだが、特に今のところなんの感慨もないというのが正直な感想だ。布団をかけ直してやり、窓を開ければ冬の乾いた空気が部屋を一気に冷やした。

「さむ……」

 やはりトランクスと寝間着代わりのTシャツだけではどうしようもなく寒い。急いで布団に潜り込み、手探りで灰皿とタバコを傍によせ火をつける。ゆっくりと吸って吐き出せば青白い煙が暗い天井へと細く糸を引くように上がっていくのが酷く滑稽だった。


 二十三回目の今日はいつもとなにも変わらない。

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