000:主人公
その名は、国塚劉生(くにづかりゅうせい)。
戦争、復興、発展の周期を繰り返す国に生まれた男。
それ以前の過去を知る者はおらず、不思議な雰囲気とカリスマを持ち合わせた彼の正体は、殺し屋であった。
戦争と復興の間。国が最も混乱で浮足だっているすき間の時期に現れた彼は、まずその混乱に乗じ、私腹を肥やしていた者たちを消していき、社会の裏側から復興への架け橋を創った。
その後も、彼はまるで未来を知っているかのように、次なる戦争を企てる者の芽を摘んでいった。その行いに、彼を平和の使者と捉える者もいるが、彼が完全に争いを食い止めることはなく、時には、国の発展や変化に貢献しそうな者の芽を摘むことすらあり、その矛盾する罪深き行いの謎は最期まで明かされることはなく、彼は或る日、静かにその世を去った。
そして、
この世界でも、彼を知る者はいない。
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