第三話 魔鉱石の力 3
これまで、ドラゴンだったときは、ただ足をひらひらと障ってくる気にも止める必要がない背景。と思っていたのだが
何しろ今までは、ドラゴンの防御力が高すぎるが故に踏んだところでなんの支障も、刺傷もおきなかったからだ。
「……君は、植物に興味があるの?」
明らかに周囲をキョロキョロしながら帰っていたからか、そんな言葉が聞こえてきた。
「まあ……そうじゃの」
――そんなこんなしながら一匹とスライムは無事帰ることが出来た。
夜の森は、意外と月明かりで照らされていて月夜で光る水溜まりがきれいだった。
「……そういえばこれ、どうやって登るのかの?」
一匹は失念していた。どうやってここから発ったのかを。
するとスライムが突然ーー浮いた。物理的に宙に浮いたのだ。
「こうやって……登るんだよ」
「う、浮いた?! ……て、わわわ、わしも浮いた?!」
「風魔法の応用だよ? すごいでしょ。ふふん」
スライムは宙に浮きながらどや顔を決めていた。
一匹はというと久々に空を羽ばたいているような気分で、今すぐにでも泣きそうなほど感動に打ち震えていた。
(まさか……この姿になっても空を飛べるとは……う、うう)
「振り落とされないように。動かないでね」
「う、うむ」
そう言い残すと、スライムは一気に天高く舞った。それに続き一匹も
打ち上げられたスピードはかなりのもので、もう木々が小さく見えていた。
(……あれ、あのスライムはどこに行ったのじゃ……なんか、寒くなってきたの……これはいっt――)
「なぬ?!」
一匹は巣を超えそのまま雲の中を飛行していた。
これには思わず声に出して驚いた。
辺りを見回すと、白い雲がわんさかと舞っていた。雲は太陽の熱により海などの水が蒸発し、上空で冷え小さい水滴がいくつもできるのだがそれがいわゆる雲。
一匹は
(……いつまで飛ばされるのじゃ?)
一匹は上空に飛ばされるがまま、抗うことも出来ず大砲の弾にでもなったような気分で空を舞っていた。
するとそこへ何かが飛んできたのを一匹は視認することが出来たが
「――グハッ」
見事一匹のスライムボディに突き刺さった。そのまま飛んできた何かの勢いのまま、更に一匹は上へ上へと飛ばされた。
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