その後

 あの馬鹿共め!


 あいつらのせいで余があっちの星の王になってしまったではないか!


 昔の余は王になりたいとか言っていたが、実際に王になってみたらちょっと嫌なんだよな。


 昔の余はただ支配してやるとか、余の思うままにめちゃくちゃにしてやるとか思っていたのだが、もう今は思わないようになっている。


 だから余はこれからあの星をよりよくするために考えて王を務めなければならない。


 そもそも王になるのはこんなにも簡単なもので良いのだろうか、もう少し慎重に考えてほしいものだな。


 だが、よくよく考えてみたらあの星の中で一番王に相応しいかと聞かれれば余なのだろうな。


 余の父親がどうとか言っていたが、そんなの関係無しに余のカリスマ性に皆は余を王にしたかったのだろうな。

 

 じゃあ仕方ないな余が王になってもな、だって余しかいないからな適任が。


 それはそうとして、あの馬鹿5人組は何をしてくれた?


 絶対にあの場面で余の敵になってはいけなかっただろ!


 あいつら余がメッカを倒す時にかなり良い事を言った気がしたのだがな。


 絶対に聞こえていたからな!聞こえて無いなんて事は絶対に無いからな!


 余は悲しい!


 たとえあいつらの事を敵として見ていた時間が長かったにしても一緒にいた時間も長かっただろ!


 ちょっとは絆を感じてくれても良かっただろ?


 …もしかしてあいつらは余とノーゲを見間違えたというのはあるだろうか?


 余とノーゲは薄目で首を振りながら見たら似てなくは無いが…。


 とりあえず余はこれからのあいつらへの接する態度は変わってくるだろうな。


 こんな事をしておいて余が許すはずがないだろ。


 あいつらは余が王になって何のメリットがあったというのだ。


 まぁそれもさておき、余は今から母親に会いに行くのだ。


 正直さっきまで愚痴を言っていた事は余の中で解決していたのだ。


 馬鹿5人組に関しては合体技をやられた後に余はあいつらの前でグチグチ言っていたからある程度スッキリしている。


 許したとは言っていないがな。


 余の母親がいる場所に近づくにつれて何だが口が悪くなってくるし、心に余裕が無くなってくる。


 ちょっと見るだけだ、別の男と幸せになっていたらもちろん余は邪魔しないし、今後も関わらないつもりでいる。



 ***



 

 で、とうとう着いてしまった。


 余の母親であろう人の家の近くにに来てしまったのだが、帰っていいだろうか?


 結構遠くまで来たのだが、ここで帰っても別に後悔しないくらいに帰りたい。

 

 そもそもなぜ余は来てしまったのだ!


 別に余が何者かは父親から聞いているから会う意味が無いんだよな。


 女神の奴や魔法少女の奴らが会えって言うから来たのだが、会いたくなくなってきたな。


 ここに来るのに走って来た方が早いのだがわざわざ電車を乗り継いで来た。


 今ならメロス気持ちが分かる気がする。


 こんなダサい行動余に相応しく無いな、さっさと会ってさっさと帰るか。


 ここが余の母親が住んでいる家か、一軒家なのだな。


 インターホンを押そうとした瞬間に背後から声がかかる。


「あの〜何か用があるんですか?」


 今振り向いたら母親がいるのか。

 

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