最終話
「っ!……」
目が開いた。
良かった、あの感じで生き返らなかったら気まずい空気のまま父親と死んでいくところだった。
余は手を開いたり閉じたりをし、手の動作確認をする。
手は…、動くな。
よっこいしょ、と身体を起こし、身体の傷をチェックをする。
お〜、身体に傷が一つもない。
あんな便利な魔法があったとはな、感謝なんか言わずにこの魔法を教えてもらうべきだったな。
余が死んでからそんなに時間は経っていないはずなのに身体が自分の物では無いようだ。
立ち上がって、肩をブンブン回したり、屈伸をしたり、身体を伸ばしたりをして自分の身体の状態を確認をした。
うん、状態は良さそうだ。
余の中にマナがあるのは分かるが魔法が使えなくなっていたらマズイから軽く魔法を出してみる。
よし、出たな。
これでまた戦う事が出来るな。
さっきから魔法少女どもとノーゲ?とメッカが戦っている音がうるさくて仕方ない。
見てる感じだと魔法少女とノーゲ?側が押され気味だな。
一体何をしているのだ、これで負けてしまえば地球が征服されてしまうのだぞ。
やれやれだな、余がいなかったらメッカにも勝てないのだな。
さて、そろそろ余も参戦するか。
余はメッカをぶん殴るため、メッカの元へ一直線に飛んでいく。
「ふんっ!」
「ばぁ?!」
余はあのムカつく顔面を思い切りぶん殴る。
ぶん殴られたメッカは地面に埋まっていった。
「いやぁスッキリした!」
余は一回メッカに殺されているからな、実は内心めちゃくちゃムカついていたのだ。
あのムカつく顔面を殴る事が出来て余は満足だ。
「嘘…、宇野くん?」
「ん?ああ、さっきぶりだな」
何を泣きそうな顔をしているのだ?余がそんな簡単に死ぬわけがないだろ。
「どうして生きてるの?」
「なんだよ、死んで欲しかったのか?」
「そういう事じゃなくて!」
「話はこの戦いが終わってからにしよう。ほら」
「なんでお前が生きてるんだよぉ!お前は死んだはずだろがよぉ!」
「余の父親が生き返らせてくれたんだよ」
「あの野郎!どこまでも俺様の邪魔をしやがって!」
余の父親と因縁があったのは本当のようだな。
「まぁ敵が何人増えようと俺様の勝利は目に見えているがな!」
「それはどうだろうな」
余はメッカも反応が出来ないほどのスピードでメッカの懐に入り、全力の魔法をぶつける。
ぶつけられたメッカは地面に叩きつけられた。
気持ち良いのが入った。
「お前がノーゲか?」
メッカが余より弱いのが分かったから放っておいても問題はないだろう。
だから余は気になっていた事を聞いた。
「そうだ」
へぇー、そうなのだな。
種族が同じなのに余の父親もメッカもノーゲもあまり似ていないのだな。
「おい!なに余裕ぶっこいてんだよ!」
元気だな、もう戻ってきたのか。
それにしても硬いな、全力なのにまだ死んでいなかったのか。
何か、一撃必殺みたいなものがあればな…。
あ!
「悪い、メッカを引き止めておいてくれ」
ノーゲに頼んで余は魔法少女どもの所へと行く。
「おい!魔法少女ども来い!」
余は魔法少女どもに集合をかける。
「どうしたの?」
「合体技をメッカに撃て」
「でも、さっきやったけどそこまで効かなかったよ」
「それは5人の時の話だろ。余を入れたら6人だ」
今までは余は受けるだけだったが、まさか撃つ方になるとはな。
初めて魔法少女どもに会った時には予想もしなかっただろうな。
「だけど、そんなの練習してませんし」
「大丈夫だ、絶対に成功する。余を信じろ」
正直余も成功するかは分からないがやるしか無い。
「おい待て!宇野!お前は本当にそれでいいのか?お前は人間が憎くないのか?」
メッカは余に問いかけてくる、本当にメッカを倒して良いのかを。
「そうだな、確かに余は人間が憎くて憎くて仕方なかった」
余はそれが原因で地球の王になる事を目指すようになったのだ。
「それに、父親はちゃんと過去と決別しているのに自分がまだ決別していない奴がいたり、親友のくせに余がいなかったらまともに話し合わない奴がいたり、教師のくせに生徒に嫉妬してクラス劇を壊そうとした奴がいたり、自分のようになって欲しくないから自分の子供に押し付ける奴がいたり、自分がいれば不幸になると思い込んで勝手に自滅する奴もいたり、そんな醜い人間ばかり見てきた」
「だったら!」
「だが、余はそんな醜くくても人間が好きなのだ」
まさか余がこんな事を言う日が来るとはな、昔の余には想像がつかないな。
「いくぞ。心を一つにしろ!」
まぁ、だが余たちなら出来るだろ。
「「「「「「スーパースマイルスプラッシュ」」」」」」
今までに見た事が無いくらい大きな魔法がメッカに襲いかかる。
「クソ野郎がぁぁぁぁぁ!」
メッカは余たちの魔法に勝つ事はなく、メッカは消滅していった。
そして、長い戦いが終わった。
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次回はエピローグです。
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