2年生編 第104話

「うわぁぁぁぁぁぁ!」


「なんでよなんでよなんでよぉ!」


「えっ、待っ、へ?」


「………………」


「いや、私は信じてないから」


 泣き叫ぶ者、怒る者、まだ理解が出来ない者、無言で立ち尽くす者、宇野の死を信じない者、色々な者がいる。


「ああ!鬱陶しい!何なんだよアイツは!大人しく死んどけよ!俺様の片腕が無くなったじゃねぇか!」


 右腕が無くなっているメッカが怒鳴り散らしながらやって来た。


「久しぶりだな、何年ぶりだ?俺は封印されている間もお前を忘れた事は無いぞ」


「ノーゲか?15年ぶりくらいだなぁ、封印される前は散々俺様にやられていた奴が生意気な口を聞くなよ」


「片腕が無いのは俺へのハンデか?」


「んな訳無いだろ!アイツだよ、アイツ!宇野章大が大人しく死んでおけばこんな事にはならなかったんだよ!」


 メッカは宇野章大が魔法の暴発を起こす前に腕を切り落として最小限のダメージで済んだ。


「お前はそっちの方が似合ってるぞ」


「殺す」


 お互いの放った魔法がぶつかり合い、メッカとノーゲの16年ぶりの戦いが始まった。



 ***




「なんで?なんで死んじゃったの?」


「立って、莉緒。私たちも戦わないと」


 高宮千沙はへたり込んでいる桜井莉緒の腕を引っ張って立たそうとしている。


 だが、桜井莉緒は立つ事が出来ないくらいショックが大きかった。


「実は息をしているなんて事は無いですか?宇野くんならそんな事も出来るんじゃないですか?」


 九重菫は今この状況を受け入れられていない。


「もうどうでも良いです。全部。終わらせましょうこんな戦い」


 柊野葵はこの状況を受け入れてもうどうでも良くなっている。


「はぁはぁはぁはぁ」


 大日向凛は宇野の死を実際に見て、自分でもびっくりするくらい動揺して呼吸が上手く出来ていない。


『皆さん!ノーゲさんと一緒に戦ってください。今しか無いんです!宇野くんの意志を無駄にしないでください!』


 女神様の声が魔法少女の頭に入ってくる。


「…もう無理だよ」


『宇野さんは死ぬ前に言ってました。託したって。あなた達は宇野さんに託されたんです。だから戦ってください!お願いします!』


 女神様は魔法少女に必死に訴える。

 

「行こう、悲しむ前に早く終わらせよう。こんな戦い」


「…っ……っ」


 泣いている桜井莉緒を肩を組んで無理やり立たそうとする。


「そうですよ、私たちは地球を守らないといけないんです。それにまだ宇野さんが死んだとは限らないですから」


「………」


「なんで、なんで死んじゃったのよ…」


 

 そして地球の運命がかかった最後の戦いが始まった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 次回で最終回です。

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