2年生編 第103話
「とりあえず私たちは宇野くんが本来するべきだったノーゲを解放しましょう」
自分も本当は宇野の事が心配で仕方ないが、桜井莉緒はテンションが下がりかけている皆に声をかけた。
「そうですね。宇野さんが今無事なのは分かったので、1秒でも早くノーゲを解放して宇野さんと一緒に戦うのが私たちが今する事です」
桜井莉緒の姿を見て、九重菫も続く。
「この時間ももったいないです。今すぐ行きましょう」
今の言葉を言ったのは意外にも柊野葵だ。
みんなは声を聞いただけで今柊野葵が怒っているのが分かった。
普段はあんなオドオドしている柊野葵がこの言葉遣いと声色にみんなは驚いた。
それほど宇野の事が心配で気が気じゃないのだろう。
「まずはノーゲがいる場所へ急ぎましょう」
***
「ここを開けたらいいんだよね」
ギィィと固い扉を開いた。
そこには棺みたいな物が見えない何かに守られていた。
「多分ここにノーゲが封印されてるんだよね」
「あ、でも封印ってどうやって解くんだろ?」
ここまで来たのは良いもののこの封印を解く方法は誰も知らされていない。
「誰か知りませんか?」
「あ、私知ってる」
この中で桜井莉緒だった1人が知っていた。
「宇野くんが教えてくれた。魔力を注ぎ込めば封印が解けるって」
「教えてくれた?」
「教えてたって事は元々宇野はそのつもりだったって事?」
宇野は最後の最後に桜井莉緒と話した時にノーゲの封印の解き方を教えていた。
そうなってくると元々宇野はノーゲの解放を魔法少女に任せようとしていた事になる。
つまり宇野は最初からメッカと戦うつもりだったって事にもなる。
「みんなさん落ち着きましょう。今は変な事考えている暇はありません。封印を解く事だけを考えましょう」
柊野葵の言葉に他の4人は黙って頷いた。
柊野葵以外の4人は何とか冷静になろうと必死になっているが、柊野葵は怒りを通り越して冷静に達している。
「みんなが力を合わせればすぐに終わるから余計な事は考えずに目の前の事だけに集中しよう!」
桜井莉緒はリーダーらしく皆に気合いを入れる。
そして、みんなは封印されているであろう棺みたいなものに魔力を注ぎ込める。
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ー
「…っもう少し」
パァーーンという音が響き渡る。
棺みたいな何かから誰かが出てきた。
「…ん、何だ、どこだここは」
「すみません。あなたはノーゲ…、さんですか?」
「ああそうだが、お前らは誰だ」
「私たちはメッカを倒しにここまでやってきました。メッカを倒すにはあなたの力が必要なんです!」
「メッカ…、あの野郎!思い出した、俺はあいつに…。絶対に殺す」
そう言ってノーゲはメッカがあるであろう場所へ向かって行った。
「私たちも向かお」
ドガーーン
「へ?」
「とりあえず行こ!」
私たちは最悪の事が起こってない事だけ願って向かって行った。
***
「あ…あ」
「なんで」
「ま、待ってください」
「……っ」
「う、嘘でしょ」
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自分で約束した事を自分でやぶる意味の分からない事をしてしまってすみませんでした。
あと1話か2話で終わりますので最後まで見捨てずにお付き合いください。
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