2年生編 第97話

 扉を開けた先にはメッカが立っていた。


 相変わらずムカつく見た目をしているな。


「まさかお前がこっちだったとはなぁ」


「そうか?余はお前の事を倒したくてウズウズしているのだがな」


「それは俺様も同じ意見だ」


「そうか、じゃあ負けても文句は無いよな」


「誰に向かって言ってるんだ?これまで俺様に負け越している奴とは思えない口ぶりだな」


「だが、いつも余から逃げているのはそっちだろ?」


「逃げていなかったらお前の命は無かったからな」


「まぁ今日、この瞬間にどっちが強いか決まるから関係無いがな」


「今回は逃げないから安心しやがれ」


「ああ、思う存分に殺し合おう」



 

 ***




「ちょっとどういう事ですか!女神様!」


 私はこの状況に理解が出来ずに思わず叫んでしまう。


 女神様の魔法により女神様と私たちは遠くの所からでも会話が出来る。


 だけど、女神様は宇野くんと会話が出来るけど、私たちから宇野くんは会話が出来ない。


『すみません。こっちもまだ理解が追いついていないです』


「何で宇野さんと私たちの移動場所が入れ替わっているんですか!」


 普段冷静な菫も取り乱してる。


「じゃあ宇野は今メッカの所にいるってこと?だったら今すぐ行かないと!」


「宇野さんは今メッカに1人で立ち向かっているんですか?」


「さすがのあいつでもヤバいんじゃない?」


 他の3人も動揺をしてる。


「女神様!今すぐ宇野くんがいる場所に行かせてください!」


『皆さん。一旦落ち着いてください』


「落ち着いていられませんよ!今も宇野くんはメッカと戦ってるんだから!」


『それでも一旦落ち着いてください!』


 女神様に強く言われてしまったみんなは一生懸命呼吸を整えようと必死になった。


『落ち着きましたか?とりあえず宇野くんは無事なので安心してください。何なら宇野くんがメッカに対して優勢です。だから、あなたたちはあなたたちの仕事をしてください』


「私たちの仕事ですか?」


『そうです。あなたたちの仕事は本来宇野くんがやる事だったノーゲの解放をしてください』


 そうだ、宇野くんは元々ノーゲの解放だった。


『すみません。もう時間が無いので後はあなたたちに任せます』


「女神様!女神様!」


 私が呼びかけても女神様の返事は無かった。


「とりあえず宇野さんが無事で良かったです」


「そうだね」


「もしかしたら私たちが行った頃には勝ってるかもしれないね」





 ***





「楽しかったぜ宇野。じゃあな」


「ハァハァ」


 もう余はここで死ぬかもしれない。

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