2年生編 第94話

 特訓の休憩中にふと思った事を女神の奴に聞く。


「歴代の魔法少女どもってこんなにも少ないのか?」


「はい。メッカが地球を襲ってきたのはここ最近の事なので」


「そうなのか、何年前からなのだ?」


「えー、17年前ですね」


 すごい最近の出来事ではないか。


 もっと歴史のある事だと思っていたが、17年しか無かったのか。


「お前はなぜメッカと戦えないのだ?」


 正直こいつがメッカと戦ったら解決するのだがな。


「その17年前に一度だけ戦った時に魔法をかけらました」


「魔法をかけられた?」


「はい。私の魔法を無力化する魔法ですね」


「そんな魔法あるのか?」


「魔法の数は数えきれませんから」


 そんなにもあったのだな。

 

「だが、お前の方が強いのだから当たらなければ関係ないだろ?」


「そうですね…」


 何かありそうな感じを出しやがって、そんな感じを出しても余は聞いてやらないからな。


「そんな事は起こらないですが、一応、本当に一応ですが」


「何だよ」


 急に改めやがって、何か余に隠していた事でもあるのか?


「お友達に声をかけておいた方が良いかもしれませんね」


 そんな事かよ。


「安心しろ。そんな未来は訪れない」



 



 とは言ったものの一応言っておいた方が良いのだろうか。

 

 

 …一言くらいかけておいても良いか。



 ***



「悪いな、全く出れてなくて」


「別に良いんですよ」


 余はまずバイト先のオーナーに言うことにした。


「これからも出れないかもしれない」


「忙しいんですね」


「ああ」


「いつでも待ってますよ。頑張ってくださいね」


「悪い」


 余の考えが見透かされているようだ。


 オーナーには言葉なんかいらなかったかもしれないな。



 ***



「当分お前たちには会えないし、もう会えないかもしれん」


「おお、いきなりどうした?」


「どうしてですか!王!」


 昼飯を食っている時に佐々木と立花に話をする。


「メッカ…デスゴーンと直接戦ってくる。もし余が帰って来なかったらそういう事だ。だから、クラスの奴らにはお前らが伝えておいてくれ」


 メッカとかデスゴーンとか呼び名が二つあるのだるいな。


「魔法少女に任せるのはダメなのか?」


「いや、余の力もいるのだ」


「それって本当に王がやらないといけないのでしょうか」


「こんな大役余しか出来ないだろ」


「……」


「……」


 2人は下を向いて何も喋らない。


「安心しろ、もしものことは無い。必ず帰ってく

る」


「…じゃあ信じて待ってるからな。帰ってきたらクラスのみんなで遊びに行こうな」


「ああ」


「私は王の言葉を信じます。絶対に帰ってきてください」


「ああ」


 これで心残りは無くなった。


 



 頑張るか。


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