2年生編 第92話
「はぁ…はぁ…」
「そろそろ休憩にしますか?」
「いや、まだ続けよう」
余は膝に付いていた手を離し、また動ける体勢にになる。
「…よし、いつでもいけるぞ」
「分かりました。では、始めましょう」
「10分くらい休暇にしましょう」
「ぉぅ」
疲れ過ぎて声を出すのもしんどい。
修学旅行も終わり、数日前から余たちは女神の元で特訓を始めている。
で、今はその特訓に疲れて倒れ込んでいるところだ。
これくらいはやっておかないとメッカに瞬殺されてしまうからな。
特訓をしているのは余だけではなく、魔法少女どももいる。
余と魔法少女は別々で特訓をしている。
余とあいつらは伸ばす能力が違うからな、あいつらもあいつらで別々で特訓をしているのだろう。
余は女神とマンツーマンで特訓しているが、あいつらは歴代の魔法少女どもと特訓をしている。
余にマナがあると気づく前の時の魔法少女もいた。
あいつらが魔法少女の中で1番下なのだな。
歴代の中には5人の代は今だけのようだな…、5人のせいで金髪とクソ陰キャがいるの嫌だな。
そんなことより女神の奴が強過ぎる。
他の奴らがどんな特訓をしているのか分からないが、余は女神と実際に戦っているのだが、遊ばれている。
そんな強いならお前がメッカと戦えよと言ったが、なんか近づけない魔法を使われてしまったらしい。
余はこいつらと共闘するか悩んだが、流石に完全復活したメッカを余1人で相手するのは厳しいと感じた。
敵の敵は味方と言うからな、今回は共通の敵が発生してしまったから味方とは言わないが協力しようとは思っている。
まぁ余はいずれ王になる存在だからな、メッカ如きに負けていられないのだ。
「では、再開しましょうか」
「ああ」
***
体が痛い。
久しぶりだな、こんな体を動かしただけで体が痛くなったのは。
放課後になり、今日も特訓をするため家に帰って準備をして向かう。
「宇野くん」
「…桜井莉緒」
帰り道は1人で歩いて帰りたかったのだがな。
「体大丈夫?」
「これくらい何ともない」
「すごいね。私なんか体中が痛いよ」
「まだまだだな」
余は軽く嘘をつく。
「宇野くんは女神様との特訓だよね?」
「ああそうだ」
「どんな特訓してるの?」
「実際に戦っている」
「やっぱり女神様って強い?」
「まぁまぁだな」
また軽く嘘をつく。
「……」
「……」
いや、無言になるなよ。
余たちは帰り道をただただ歩く時間が過ぎていく。
「あのね!」
「お、おお」
いきなり大きい声を出すものだから驚いてしまった。
「誰を選んでも、選ばなくても宇野くんも選ばれた人も恨まないから。宇野くんが真剣に考えたんだからそれが正解だと思うの」
他の奴はいきなりでこれだけ聞けば何の事か分からないだろうが余には分かった。
「そうだな。だが、まだ時間がかかりそうだ」
「良いよ、待ってる」
メッカとの戦いが終わっても余にはこれが残っていたとはな。
「あの時お前が余の答えを遮っていなかったらもっと簡単だったのだがな」
「ごめんね。振られると思って」
「あの時お前と付き合っていればこんなこと起こらなかったのだがな」
「そうだよね」
「へ?」
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