2年生編 第91話
「おい、ちゃんと傘持てよ」
「持ってるじゃない」
「別にお前は濡れても良いんだからな。余が濡れないためにこの傘を持ってきたのだからな」
「私みたいなか弱い女子が濡れてても何とも思わないの?」
「全く何も思わないな。むしろ風邪引いて修学旅行を最悪の形で終わってほしいと思っている」
「それはやり過ぎでしょ!」
「まぁお前みたいな奴は風邪を引かないって言うか」
「何よ、私をバカって言いたい訳?」
「そこまで言うつもりは無い。頭が悪いと言いたかっただけだ」
「それ言ってる事一緒じゃない!」
「おい、あまり暴れるな。ほら、バス停に着いたぞ」
「やっと着いたわね」
「お前結構歩いたのだな」
「これでやっと帰れるわね」
「…おい」
「何よ」
「もう今日はバス来ないらしいぞ」
「嘘でしょ!まだそんな時間じゃないでしょ!じゃあどうやって帰るって言うのよ!」
「まぁ田舎だから本数が少ないのだろうな。最悪ここで野宿するしか無いな」
「嫌!そんなの絶対に嫌!歩いてでも帰るから!」
「いや、歩けるのかよ。仕方ないこのまま帰るか」
「このままって何よ」
「おんぶしたままって意味だ」
「いやいやいや、無理でしょ。いくらあんたでもそれは無理でしょ。何kmあると思ってるの?」
「舐めるな。余に無理な事はない」
「無理なら無理って言いなさい!見栄を張っても良い事無いんだから!」
「ちゃんと掴んでおけよ」
「いや、聞きなさいよ!」
「喋るな。舌噛むぞ」
「え…」
「1時間もかからないうちに着くから我慢しろよ」
「ちょっとちょっと!」
「だから喋るなよ」
「スピードを下げなさい!」
「何だよ…」
「いや、速すぎるわよ!だったら最初からバスに乗ろうとしなくても良かったじゃない!」
「バカか、なぜ余が進んでお前をおぶって帰らなくてはならないのだ。バスが来ないから仕方なくだ」
「…あんたって本当に気持ち悪いわね」
「褒め言葉として受け取っておく」
「って言うかあんたのせいでこの修学旅行めちゃくちゃなんだから!」
「余のせいにするなよ、お前に友達いないのが悪いのだろ」
「友達がいるかいないかは関係ないから!あんたのせいであの4人がずっと変だったのよ」
「……」
「それにあんた私の電話に出なかったよね?どういうつもり?」
「どういうつもりも無い。無視していたのだから仕方ないだろ」
「無視するんじゃないわよ!この修学旅行中どれだけ大変だったか分かる?」
「はいはい悪かった悪かった」
「なんか謝罪が軽いわね。私にとっては一生に一度だったのよ!」
「あまり耳元で叫ぶな。悪かったよ。いつになるか分からないがまた皆を誘って行こうではないか」
「ちゃんとあんたが誘いなさいよ」
「はいはい」
「あとどうやって私がいる場所分かったのよ」
「お前のマナを追って来ただけだ」
「だから私の場所が分かったのね」
「そうだ」
ん?
私今魔法少女じゃない私にマナなんか無いのに…。
ま、いっか。
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