2年生編 第89話

 宇野が私の家に来て色々あって両親に会ったんだけど、主にママと宇野が話していて宇野がずっと嫌そうな顔をしていた。


 で、たま〜にキッと私の方を睨んでくるのを私はプイッと顔を逸らすのを繰り返していた。


 そうなのよ、私は宇野にはママが話したいとしか言っていないから急に結婚がどうとか言われたら私を睨むのも分かる。


 もう見るからにすごく怒ってるのよね、まぁ実際にこの話し合いが終わった後にすごく怒られたのよね。


 もうそこまで怒るなら手を出しているのと一緒だからってくらい怒られた。


 

 ***



 そういう経緯があって私は宇野と結婚するかもしれないと言ってしまったのよね。


 だからこんな状況になってしまったのよね。


「ねぇねぇどういう事?」


 莉緒は私に顔を近づけてきて、私と目を合わせようとしてくる。


「いや、私も不本意というか…」


「それはちょっと私たちに失礼だとは思わなかったんですか?」


 菫が怒ってる。


 こういう人が怒るのが1番怖いのよね。


「私もその気持ちはありましたけど、こっちもこっちの事情がありまして…」


「こっちが争ってるの見て笑ってたんですか?」


 葵は私を呪い殺すんじゃない?


 逃げ出したい、この状況から逃げ出したい。


 こんな状況になるくらいならさっきのみんなギスギスしていた状況の方がマシに思えてくるわ。


 私もこんな状況になるって分かってたら自らこんな事言わなかったわよ。


 だって絶対に言える状態だったもん!


 なんかすごく良い状況だったもん!恨みっこ無しだから、みたいな事言ってたのにすごく恨んでくるもん!


 こんなの絶対におかしいもん!


「まぁまぁ凛も悪気があった訳じゃ無いんだから」


 千沙は他の3人を宥めてくれた。


 この中だったら千沙が宥める係になるのね。


 千沙が宥めても中々収まらない3人を見て私は逃げ出した。


「ちょっ、凛!?」


 私は必死に走った。


 私の運動神経の悪さは自分が良く分かっているから、そんなに速く無いんだろうなぁと思いながら走った。


 とりあえず1人になりたい。


 クラスの人達にも会いたくないから栄えていない所に行った。


 バスとか電車に乗ってとりあえず田舎の方に向かって行った。

 

 

 ***



 ようやく1人になれる所に着き、トボトボと歩きながら頭の中で整理していく。


 整理って言っても、これって私が悪いの?って思うのがほとんどね。


 実際にこれって私が悪いの?黙ってたら黙ってたらで後々怒られそうよね。


 だから私はあの良い感じの雰囲気の時に言ったというのに。


 まぁみんな付き合いたいって言ってるのに私は結婚って言ったら怒るよね。


 だからって4対1にすること無いじゃない!


 

 ーーーーーーーーー


 ーーーーーーー


 ーーーーー


 ーーー


 ー



 はぁ〜、スッキリした。


 心の中でいっぱい吐き出したらスッキリした。


 ………?


 ……………?



 ここどこ?


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る