2年生編 第78話

 よっしゃー、着いたぞー!


 バスの中は空気が終わっていたが、飛行機に乗るとやはり皆のテンションは上がっていた。


 飛行機は寝る奴が多かったため空気が終わっていても関係無かった。


 飛行機から出た瞬間空気がいつもと違うのが分かる。


 何より涼しい。


 冬の時に南に行って暖かい所に行くのも良いが、夏に北に行って涼しい所に行くのも悪くは無いな。


 いやー、バスと飛行機で体が固まってしまったなぁ。


 狭い所に閉じ込められるのは苦手なんだよ。


 

 ピロン!



 ん?携帯にメールが届いたようだ。


 誰からだ?高宮千沙?


『絶対に許さない』


 の一言だけを余に送って来やがった。


 バッと高宮千沙の方を見てみると高宮千沙は余を思いっきり睨んでいた。


 悪いな、余はお前らと関わってこの修学旅行を無駄にすることが出来ないのだ。


 あいつらの機嫌が悪いのは余が原因だったが今適当に手を出してしまうと後々面倒くさくなるから、この修学旅行は我慢してもらう。


 だからお前がどれだけ睨もうと今回は余は動かないからな。


 さて、またバスに乗って今回泊まる宿へ向かおう。



 ***



 ここが余らが泊まる宿なのか。


 良い、雰囲気が実に良い。


 ホテルでは無く、旅館と言った方がしっくりくるような雰囲気だ。


 ホテルと旅館の違いは何なのだ?調べてみるか?いや、やめておこう。


 いつもと違う場所に来た事もあり、バスの中は魔法少女ども以外はテンションが上がっていた。


 旅館に着いて皆のテンションはまた一段と上がっていく。

 

 旅館に荷物を置いたら本格的に修学旅行の始まりだ。


 後は班の奴らと行きたい所に行って時間内に帰ってくるだけだ。


「早く行こうぜ宇野!」


「早く行きましょう王!」


 佐々木と立花は余を急かす。


「ああ、行こう」


 こうして余たちの修学旅行が始まった。



 ***



 本っ当に最悪っ。


 せっかくの修学旅行だっていうのに何でこんな空気なのよ!


 本当にどうしてくれるのよ!高校の修学旅行って一生に一回なのよ!なのに何でこんな事になったのよ!


 せっかくだから魔法少女だけで班組もうって言ったから組んだらこれよ。


 魔法少女だけで組むって言ったら普段のしんどい事とか、魔法少女あるあるとか、怪人と戦った後のケアとか、色々聞きたい事があるからこれを機に聞こうと思ってたのに。


 私はまだ魔法少女になりたてだからベテランに色々聞きたかったのに。


 あと宇野の悪口も言いたかったのよ!


 でもこれは言ったら怒られそうだから言わなかっただろうけど。


 高宮と宇野の会話をちょっと聞いてたんだけど、宇野が悪いみたいじゃない。


 あの野郎!絶対に許さない!




「「「「………」」」」



 せっかくいつもと違うの場所に来ているのに全員黙っている。




 

 私は絶対に宇野を許さない。


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