2年生編 第79話
いやー楽しい気分だ。
あの魔法少女どもがいなくなったおかげで空気が全然違う。
あいつらが近くにいるだけでせっかくの美味しい空気が台無しになってしまう。
まぁあいつらが不機嫌なのは余が原因なのだがな。
悪いな、高宮千沙と金髪。
余はお前らの分まで楽しんで来るからな!
いつもと違う景色ってだけでもう楽しいよな。
なのにこいつらは…。
「私が王に1番相応しいんです!」
「だから別に俺はそういうの興味無いって言ってるだろ」
「そういう澄ましている感じが気に食わないんです!」
「澄ましてないって!安心しろお前が1番だから」
「こんな1番貰っても嬉しくないです」
なぜこいつらも喧嘩をし始めたのだ…。
そう言えばバスに乗る前も言い合いをしていたな。
こいつらも余を取り合って喧嘩をしているのか?
いつから余はこんなに人気者になってしまったのだ?
佐々木はそこまで興味無さそうに見えるが、立花が完全に熱くなっているな。
「ここでハッキリさせましょう。どちらが王に1番相応しいかを」
「は?せっかくの修学旅行で何言ってんだよ!俺は旅行がしたいんだよ!」
余は佐々木の意見に賛成だが
「よし、じゃあもう決めよう!ここでハッキリさせよう」
このままギクシャクとした感じでいられても困っるからな。
このままだと魔法少女どもみたいになって修学旅行が台無しになってしまうかもしれない。
「え〜せっかくの修学旅行だぜ?」
「文句を言うな。この感じで観光しても楽しくないだろ?」
「王!私絶対に勝ってみせます!」
「頑張れ」
正直どっちが勝とうが知ったこっちゃ無い。
ただただ早く終わってほしいと願う。
「何で勝負しますか?」
「お前が決めてくれ」
「余裕でいられるのも今のうちにですよ」
「はいはい」
立花は熱い奴だなぁ…早く終わってくれ。
***
「さぁ先行は佐々木さんですよ」
「はいはい」
結局ボウリングで決着をつけるらしい。
修学旅行でボウリング?修学旅行ですることか?
帰ったらいつでも出来るからな。
だが、まぁこれで決着がついてくれるのなら何でも良いがな。
***
「宇野〜!こっちにも来てくれよ!」
「宇野〜投げ方教えてくれよ〜」
「ウェーイ!さすがクラスの王!」
「ちゃんと見ておけよ、まだ余は本気を出していないからな!」
「宇野の本気が見られるぞ!」
最初は佐々木と立花の決着をつける予定だったが、段々と人が集まってきてクラス対抗のボウリング大会になってしまっていた。
決着もつけれなかったし、観光も出来なかったが、これはこれで楽しいから良しとするか。
結局こういうことが思い出に残るものだからな。
さっきから携帯がうるさいがまた後で良いだろう。
***
…宇野絶対に許さない。
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