2年生編 第76話
金髪に何とかしてもらおうと思ったが全然ダメだった。
あいつと話しているとなぜか三分の一の確率で喧嘩が起こってしまうのだよな。
どっちかがきっかけで喧嘩が起こるのだが、終わるタイミングが授業開始のチャイムで終わる。
だが、今はそれが無いから佐々木が止めてくれたおかげで何とか収まった。
いや、お前も立花と喧嘩していたがな、とは思ったが。
ともあれせっかくの修学旅行だ、楽しまなくてはな。
今はバスに乗って空港に向かっている最中だ。
余と金髪はしょっちゅう喧嘩をしているから別に誰も何とも思わないし、余と金髪も何も思わないから良いのだが、あいつらが、機嫌悪いだけでこんなにも空気が悪くなるとはな。
皆は気にしないようにしているのだが、やはり明らかに空気が重くなっている。
だから皆は余にどうにかしろよ、みたいな視線を送ってくる。
余はこの空気が嫌なため目を閉じていたのだが、皆の視線が目を閉じてでも伝わってくる。
分かったよ、出来る事はやってやるよ。
にしてもどうしたら良いのだろうか、金髪では役に立たないからな。
…そうだ、高宮千沙がいるではないか!
あいつはあの3人と違って高宮千沙は余のことを何とも思ってなさそうだから、まだ余は話せれる。
まだ他の3人とは気まずいからな。
余は高宮千沙の隣に座っている奴をどかし、高宮千沙の隣に座る。
「ちょっと良いか?」
「…なに」
「お前含めてなぜあいつらはあんなにも機嫌が悪いのだ?」
濁しても仕方ないから直接的に聞く。
「私はそんなに機嫌悪くないし、普通くらい?」
なぜ疑問系なのだ。
だったらお前も機嫌悪い感じ出すなよ、勘違いするだろ。
なんて言ったらまた喧嘩が起こりそうだからグッと堪える。
「じゃああいつらは何なのだ」
「知らない。葵は知らないけどあの2人があんな感じになるの珍しい」
「そうなのか?」
「私は一度も見た事ないかな」
あれだけ一緒にいて初めてなら今の状況は珍しいな。
そう言えば余もあいつらがああなる所初めて見たな。
「じゃあ心当たりは無いと言うことだな」
「そう」
困ったな、これじゃあ何も出来ないではないか。
「そっちは無いの?」
「何がだ?」
「心当たり」
「いや、無いとは思うが」
「ふ〜ん」
「何だよ」
「莉緒と菫がああなるって宇野が原因しか考えれないから」
「なぜ余なのだ!余が何をしたと言ぅ」
あった。
心当たりあった。
「心当たりあったんだ」
「…まぁ無くはない感じだな」
「もしかしてあの時の告白に関係してる?」
勘のいい奴だな。
「まぁそうだな。あれから色々あったんだよ」
本当に色々あったなぁ。
「原因絶対にそれでしょ」
え?余が原因だったのか?
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