2年生編 第75話
何だ、何だ、何だ?
あそこだけ空気感が違うぞ。
なぜあいつらは同じ班なのにあんなにも空気がひりついているのだ?
あんなにもひりつくくらいなら同じ班にならなかったら良かったのではないか?
そもそもなぜあいつらはあんなにもひりつく理由があるのだ?
バスの席で揉めているのか?
そんなにも窓側の席が良いのか?そんなことで喧嘩するなよ。
バス内で喧嘩が起こってしまうくらいなら余の席くらい代わってやるがな。
お前ら魔法少女なのだろ?共に行動して来た仲なのだろ?もうちょっと仲良くできないものなのか?
あれ?金髪だけは気まずそうに下を向いているぞ。
「あれ何とかしてくれよ」
「なぜ余が何とかしなければならないのだ!」
「だってあれってお前の女だろ?」
「違うわ!余の女ではないわ!」
こいつはあいつらを余の女だと勘違いしているのか?なんて失礼な奴だよ。
「別に宇野の女じゃなくても良いからあれをどうにかして来てくれよ」
「だから余に頼むなよ。他の奴に頼めよ」
「普段はお前が世話して貰ってるんだから今度はお前の番だろ。それにほら」
余は周りを見てみる。
「みんなお前に期待しているんだぞ」
「うっ」
なぜお前らは余を見ているのだ。
頼むから余を頼りにしないでくれよ、余でも力になれない時くらいあるからな。
「分かったよ!行って来てやるよ!」
行ける奴がいけよ!なぜ余が行かなくてはならないのだ。
あんな所に行ってしまったら寿命が縮まるかもしれないだろ!
「なぁ。なぜあいつらはあんなにも空気がひりついているのだ?」
余は唯一マシな金髪にこの現状について聞く。
「私に聞かないでよ!私も何でこんなことになってるのか分からないわよ!せっかく楽しもうと思ったのに…」
「そうだよな。お前は友達がいないからこういう所でしか同級生と旅行できないもんな」
可哀想な奴だよ。
「は?別に旅行ぐらいいつでも行けるわよ!」
「強がるなよ、お前に友達がいないのは知っているから」
「私だって友達くらいいるわよ!」
「いや、いないだろ。お前が休み時間で余以外と喋っている所見た事がないぞ」
「最近はちょっとは喋ってるわよ!」
そうだな、最近はこいつも成長して普通に話せれるようになったな。
「そんなことはどうでも良いのだ!」
「いや、あんたが言ってきたんでしょ!」
そうだったか?まぁいいや。
「あの空気になってしまったのはお前のせいなのか?」
「何で私のせいになるのよ!きっとあれじゃない、メッカの事じゃないの?」
メッカの完全復活が近いから余らは特訓をすることになった。
特訓が嫌過ぎるから終わって欲しくないという気持ちが強いのかもしれないな。
「なるほどな、だからあいつらはあんなにも機嫌が悪かったのか」
「きっとそうよ!」
「じゃああいつらのことはお前に任せたぞ」
「ちょっと待ちなさいよ!私1人じゃ無理に決まってるじゃない!」
「だからと言って余が何をすると言うのだ」
「そんなの私が知ってるわけ無いじゃない」
「何だよお前!」
「そっちこそ!」
なんて喧嘩をしている最中でもあいつらの機嫌は悪くなっていく一方だ。
人の事言えないが仲良くしてくれよ…。
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