2年生編 第74話
今は修学旅行の目的の場所に移動するためのバスの前にいる。
教師どもが全員いるかを点呼している最中だ。
いや〜楽しみだなぁ。
…なんて言うと思ったか?
確かに余はこの前感動的なスピーチをしたのだが、余はあいつらとは馴れ馴れしくする必要がないからな。
たかが旅行をするだけの話だろ?旅行なんて余が本気を出せば、走ってどこまでも行けるからな。
女神の奴にはこの修学旅行を楽しんで来いと言われたが、余はもうメッカのことしか考えていない。
魔法少女どもはこの修学旅行を楽しむだろうが余は違う!
「だから余は修学旅行ではしゃぐ奴の気がしれない」
「何独り言を言ってんだ?」
隣にいた佐々木が余の言葉に疑問を持つ。
「修学旅行如きではしゃぐ奴の気が知らないって言ったんだよ」
「何言ってんだよ、目の隈がすごいぞ」
「何だよ、余が楽しみ過ぎて眠れなかったと言いたいのか?」
「そうだよ。お前普段夜更かししないって言ってただろ」
「へ?そんなこと言ったか?だが、最近はしてるかもしれないだろ」
妖精が来てから余は夜更かしをしてゲームで対決することがあるからな。
「荷物もパンパンじゃねぇか」
「仕方ないだろ、足りないよりはマシだろ」
「私は王と修学旅行に行くのを楽しみしていましたよ!」
余の可愛がっている下僕の立花がやって来た。
「分かった分かった。お前も立花くらい余を敬えよ、お前の方が下僕の先輩なんだからよ」
「誰が下僕の先輩だ!」
こいつらが修学旅行で共に行動する班だ。
班はとりあえず別のクラスからでも良いから3人以上7人以下が決まりらしい。
だから別に3人でも良いし、7人でも良い。
「おーい!宇野。また途中で合流しようぜ!」
余は黙って手をあげる。
班は3人以上7人以下だが、別に班同士が合流しても良い。
「さすが王!人望もお有りなんですね!」
「まぁ余ともなればこんなのは当然だがな」
「あまり宇野をおだてるなよ」
「事実を言っただけですよ。あなたはもっと先輩らしくしたらどうですか?」
「あ?」
「何ですか?」
「やめておけ」
この2人が喧嘩になりそうだったから仲裁に入る。
「修学旅行は今から始まるというのに、こんな最初に喧嘩するなよ」
喧嘩している奴らと余は共に過ごせないからな。
だが、まだ2人は睨み合っている。
はぁ〜頼むから仲良くしてくれよな、3人いて2人が仲が悪いとか最悪だからな。
「おい」
「ん?」
後ろにいたクラスの奴に肩をトントンとされ、振り向く。
「あれヤバくね?」
「あれ?」
余は指をさした方向を向く。
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
魔法少女どもがお互いがお互いを睨み合っていて、空気がひりついていた。
怖っ…
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