2年生編 第65話

 いや〜楽しかった。


 皆といくカラオケは最高だったなぁ。


 



 もう嫌!


 なぜあいつは余に告白をしてきたのだ!なぜ余なのだ!


 また逃げてしまったからまた変な空気が流れてしまうではないか。


 もう勘弁してくれよ、せっかく一つ山を越えたと思ったらまた山が見えてきたではないか。


 これは余はどう対応すれば良いのだ?こんなのどっちを選んでも良い未来が見えないのだが。

 

 時間が解決してくれるのを信じるしか今の余はできない。


 とりあえず今日は疲れたから家に帰って寝る。


 あ、そういえば妖精の奴はどうしているのだろうか。


 どこかで餓死していないのだろうか、無事だと良いのだがな。


 まぁ女神の所に戻ったのだろうな。


 家に着いたからガチャっとドアを開ける。


 今日は本当に色々あったから疲れた、これが本当に1日に起きた出来事か?


 結局は話す前の時間が1番緊張したからな、話し出すとそこまで緊張しなかったがな。


 今日は晩御飯を食べずにさっさと寝よう。


 風呂は明日入ろう、それくらい今日は心身共に疲れた。


「ポヨ…」


「うおっ!」


 パチッと部屋の電気を点けたら妖精がいた。


 こいつここで何をしているのだ?それよりどうやってここに入ってきたのだ?


「ポヨ…」


 妖精は今にも泣きそうな目で余を見てくる。


「今から晩御飯作るが食べるか?」


「ポヨ!食べるポヨ!食べるポヨ!もうお腹がぺこぺこポヨ!」


 本当に今日は色々ある日だな。



 ***



 

 目覚めてしまった。


 このまま目を覚ますことなく平和な日々を送りたかった。


 学校に行くとあいつらがいるから本当は行きたくないのだ。


 だが、また学校に行かなくなったらおかしいよな?


 昨日あれだけ一緒にいたいとか言っていた奴が来なくてなるの怖いよな。


 だから行かなくてはならないのだ。


 行かなくてはならないではなく、余が行きたいと言ったのだから行くのは当然のことだな。


 …行くか。


 学校に着いたが、キョロキョロと周りを見ながらなるべくあいつらに会わないようにする。


「おはよう宇野くん」


「おっ!」


 後ろから桜井莉緒に声をかけられた。


 せっかく注意していたのに、バレずに余の背後に回るとは中々やるなこいつ。


 そんなことよりあんなことがあったのによく余に話しかけることができるな。


「お、おはよう」


 な、何だ?この状況を気まずいと思っているのは余だけなのか?


「どうしたの?なんかよそよそしいけど」


「別にそんなことは無いがな」


 なぜこいつはこんなに平気でいられるのだ。


「あれ〜?いつもと違うけどどうしたの?顔赤いよ〜?」


 桜井莉緒はニヤニヤしながら余に話している。


 こいつ余をおちょくってるだろ、余もなぜ顔を赤くしているのだ。


「う、うるさい!用がないならもう行くぞ」


「待って。今日一緒に帰ろ」


「…別に良いが」


「じゃあまた放課後で」


 そう言って桜井莉緒は走って行った。




 …どうしよう。

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