2年生編 第60話
りょ、旅行?
なぜ旅行なのだ?
「なぜ余は旅行に連れてこられたのだ?」
いつ余はこいつらに旅行が好きだと言ったのだ?
余は別に好きでも嫌いでもないからな、海はまぁちょっと好きなのかもしれないな。
それにしても綺麗な海だなぁ、余が住んでいる近くには海がないから相当遠くの所に来たのだな。
というか、あいつらはもう海に飛び込んでいるな。
「最近学校に来てなかっただろ?だからお前が心配だったんだよ」
「別に余は心配される必要なんかない」
こいつらが余を心配するなんか100年以上早いがな。
まぁこいつらが100年以上経って成長しようが、余も成長しているからこの100年は縮まらないがな。
「今日お前に会って分かった。会って良かったよ」
「何が良かったんだよ」
「顔を見た瞬間分かったよ、今のお前はすっごいかっこ悪いからな」
余がかっこ悪い?
この完璧超人で、天才で、カリスマの余のことをか?
「気分が悪い。帰る」
なぜ余は海まで来てこんな悪口を言われなくてはならないのだ。
余は踵を返し、帰ろうとする。
「おい、みんな!捕まえろ!」
「「「おう!」」」
ドドドドドド!
さっきまで海で遊んでいた男どもが遊びを辞めて、余のところに駆け寄ってきた。
「みんな!このわがまま王子を海に放り込め」
駆け寄った男どもは余を担いで海まで一直線に走る。
「おい!また似たような展開だな!早く降ろせ馬鹿ども!」
「「「いっせーのーで!」」」
ドッシャーーン!
「ぷはっ!」
余は男どもに放り投げられ、海にダイブした。
「おい!何しやがる!こんなことをして余が許すはずがっブエッッ!」
バシャン
余が文句を言おうとしたら助走してきた佐々木がドロップキックをかましてきた。
「今のお前には負ける気がしねぇよ」
は?
負ける気がしないだと?
お前は余の下僕だぞ、下僕が余に勝てるはずがないだろ。
「いいぞ。一生余に手を出させないようにしてやるよ!」
「聞いたかみんな。こいつに勝ったら宇野を下僕に出来るらしいぞ」
「「「おおおおーー!」」」
全員かよ。
「王!私は一生あなたについていきますよ」
立花は従順な下僕だからこいつは素直に余についてくるらしい。
「上等だよ!全員まとめてかかってこい!」
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「はぁはぁはぁはぁ」
海で泳がず、遊ばず、かき氷も食べず、ビーチバレーもせず、ずっと海で戦っていた。
結果を言うと余がギリギリ勝った。
「結局お前らは余には勝てないんだよ」
「何言ってんだよ、あんなのほぼ同時に倒れたもんだろ」
最後佐々木とほぼ同時に倒れたが、ちょっとだけ佐々木の方が倒れるのが早かった。
「なぁ」
「どうした?」
「お前がナイトメアなんだろ?」
え?
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