2年生編 第40話

 チョップの当て合いをしていたら職員室の前にいたらしく教師に怒られた。


「お前のせいで怒られたではないか」


「私のせいじゃないわよ!あんたが私にチョップをしてくるからじゃない!」


「お前が余のチョップを躱わせることができなかったから悪いのだ」


「あんたがチョップをしなければ当たらなかったわよ!」


「そもそもはお前がボランティアで何も学ばなかったのが悪いのだ!なぜそんなに早く忘れることができるのだ?」


「忘れてないわよ!ちょっとだけ頭の中から消えちゃっただけよ」


「それを忘れたと言うのだ」


 ただ言い方を変えただけではないか。


「最初の頃よりは成長したと思えば、また元通りになりやがって。余はがっかりだ」


「何であんたにがっかりされなきゃならないのよ」


「少しでもお前の師匠になったのだから弟子がこれだと思うと情けない」


「私もあの時はどうにかしていたわ、あんたが師匠なんて考えられないわ」


「この女は…」


「イタッ!」


 余はムカついたからまた金髪の頭にチョップをする。


 金髪は避けようとするが余の高速チョップを避けられるわけもなく全てを受ける。


「もうやめなさいよ」


 涙目になっているから流石に止めてやる。


「ここまでやらなくても良いじゃない」


 痛いのだろう頭を抱えている。


「お前はこれくらいやらないとな」


「やり過ぎだとは思わないの!」


「思わないな、なんならまだまだ足りないと思っている」


「あんたは私を何だと思っているのよ!」



「だからさっきからうるさいぞ!まだそこにいるのか!」


 ガラガラッとドアを開けたと同時に教師の怒号が響く。


「何だ、用があるのか?」


「「無い」」


 金髪とタイミングが被る。


 最悪だ、仲良いと思われてしまうではないか。


「無いならここで仲良くはしゃぐな」


 仲良いと思われてしまったではないか。


「分かった。おい、行くぞ」


「何であんたに命令されなきゃいけないのよ」


 余の方が上の立場なのだから当然だろう。



 ***



 ようやく学校の外に出た。


「お前のせいでまた怒られたではないか」


「何で私のせいなのよ!あんたせいじゃない」


「今回の全てに関してはお前が悪いからな」


「何であんたは一つも悪くないのよ!絶対に私は悪くないから!あんたがチョップしてきたのが悪い」


 歩いている間はずっとどっちが悪いかをなすりつけ合っていた。


「もうやめよう。話し合いでは決着がつかない」


「これ話し合いだったの?」


 別に話し合いで良いだろ。


「友達はできたのか?」


 まぁできていないだろうが嫌がらせの意味で聞いてみる。


「……?」


「……?じゃねぇんだよ!できたか、できてないかのどちらかで答えろよ」


「………?」


 金髪は余の言っていることが全く理解できませんと顔で訴えている。


 まぁできてないよな。


 こいつにできるはずがない。




「おにいちゃーん!!」


 遠くから小さい子供の声が聞こえてきた。


 嫌な予感しかしない。

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