2年生編 第28話
なぜこのクソ陰キャが余と同じのクラス委員なのだ…。
ふざけているのか?余はクラスの王に相応しい存在だが、このクソ陰キャはずっとボソボソ話して、何を言っているのか分からないことがほとんどだ。
そのこいつがなぜ余と同じ地位なのだ、そんなこと余が納得いくわけがないだろ!
と、言うのは建前で、本当はこいつが仕事できるのかが不安だからだ。
前の年は演劇部の九重菫がいたから何とかなったかもしれないが、今年は九重菫がいないのはまだ良いが、クソ陰キャがいるのだぞ。
余と話し合いが出来ないのかもしれないのだぞ、これから地獄が始まるのかもしれないのだ。
九重菫はまぁ…優秀ではあった、あの時はまだ優秀な奴だと思っていたのだ…。
まぁ今も余の前以外ではちゃんと優秀らしい。
頼むからあの時の九重菫に戻ってくれ。
話を戻すが要は苦手なのだ、クソ陰キャの奴が。
隣の席だから分かるのだが、いつもビクビクしているのだ。
こいつは誰かに命を狙われているのか?
隣だから嫌でも少し話すのだが、常に半泣きだからまるで余が泣かしたみたいになっているのが嫌なのだ。
それにこいつと会話すると時間がかかって仕方ない。
そもそもせっかちの余とは合わないのだ。
それになぜまた魔法少女なのだ、なぜ低い確率を引き続けるのだ。
もう決まったことにあーだこーだ言っても仕方ない、金髪よりはマシだと頭の中で納得しておこう。
そうだ、金髪よりかは数段マシではないか、金髪とだったらと思うとゾッとしてしまう。
そうやって考えないと自分の気持ちを抑えることが出来ない。
「おい!放課後残れよ」
余は隣にいるクソ陰キャに声をかける。
「は、は、はぃ」
体がビクッとしながら返事をする。
なぜそんな驚くのだ、余がお前をいじめているみたいではないか。
今後こいつとやっていくのか?不安しかないのだが…。
***
とうとう待ってもいない放課後が来てしまった。
授業中は隣からガタガタとうるさくて仕方なかった。
こいつは余が放課後残れと言ってからずっと震えていたのだ。
どれだけ余と放課後残るのが嫌だったのだ、ストレスの塊になっていたぞ。
「なぁお前は何かやりたい劇はあるのか?」
こいつにおい!と会話を始めてしまうとこいつは体をビクつかせて萎縮してしまうから気をつけている。
「う、宇野さんはきょ、きょ、去年な、な、何をされたんですか?」
よしよし、あまり刺激をさせないことで会話が少しスムーズになった。
これからもあまり刺激せずにこいつに接していこう。
あとなるべく余も笑顔をキープする。
なに?余らしくない?
仕方ないだろ!そうしないと会話にならなくなってこの地獄が終わらないだろ!
「去年はロミオとジュリエットをやったぞ」
「そ、そ、そうだったね。こ、こ、こ、九重さんが凄かったですよね」
「凄かったよな」
実際は見ていなのだがな。
「エ、エヘ、エヘヘへ」
本当に大丈夫なのか?
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