2年生編 第27話
金髪のボランティアが終わって少しは静かな時間が増えるのだろうなと思っていた。
だが、
「ねぇ、ナイトメア様ってどんな人が好きなのかな?」
金髪が後ろの席だから余に毎回話しかけてくる。
余が寝ていようとお構いなしで話しかけてきて手が出そうになる。
ただでさえ、ムカつく奴なのにムカつくことをされたら怒りが沸く。
「知らん。そもそもそいつはメッ…デスゴーンと一緒で地球の敵なのだろう?そんな奴好きになるなよ」
危ない危ない、危うくメッカと言ってしまうところだった。
「好きになるのは私の勝手よ」
「はいはい。で、なぜナイトメアを好きになってしまったのだ?」
「それはナイトメア様が色々と私を助けてくださったからよ」
「へぇ〜」
ここで詳しく聞いてしまったらこいつは自分が魔法少女だということをうっかり言ってしまいそうだからあえて聞かない。
それに色々って昨日のやつだけだろ。
「そうなのよ!最初に出会ったのは」
おいおい、聞いてないのに話し始めやがったよ。
「去年の夏に魔法少女と怪人化との戦いで逃げ遅れた私を助けてくださったのよ」
あれ?そんなことしたかな?
「あの時から私の恋は始まっていたのかもしれないわ」
「でも大丈夫なのか?」
「何が?」
「そんな奴好きになっても叶わぬ恋になってしまうだけだぞ」
この感じなんか余がこいつの恋を止めているみたいでなんか嫌だな。
「関係ありませんわ!いつかきっとナイトメア様は私たちの味方になって、最後は私と…、えへっ」
最後は急に笑いやがって気持ち悪いな。
「そんなことよりナイトメア様は何が好きなのか聞いているのよ!」
「余はナイトメアではないから知るわけがないだろ!」
もうこれは余がナイトメアであることは口が裂けても言えないな。
「ちょっとくらいはヒントを教えなさいよ!」
「ヒントは答えを知っている奴しか出せないのだ」
なぜ余が答えを知っている前提なのだ。
本当は知っているが。
「あ、ほらホームルーム始まるぞ」
こんなにもホームルームを嬉しいと思ったことはない。
「はーいホームルーム始めるよ」
担任の教師が始まりの合図を出す。
「去年と同じでクラス劇をやります」
あったな、クラス劇とかいう仕事ばかりさせられた行事。
「クラス委員を中心に頑張ってね。よろしくね宇野くん」
?
「待て。なぜ余がクラス委員なのだ?」
「あれ?嫌だった?でももう決まったことだから」
「誰が決めたのだ!」
「え?みんなだよ」
バッ
余はクラスの奴らの顔を見る。
こいつらやりやがった。
決めていた時に余が寝ていたから押しつけやがった。
「もう良い。で、もう1人は誰なのだ?」
余は教室の中を見渡す。
?
「おい、誰だ!」
余は教室の中を見渡す。
「誰もいないのか?」
「……い」
ん?微かに声が聞こえた。
「はい。わ、私です」
隣から声が聞こえてきた。
よりによってお前かよ、
ブラック
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