2年生編 第26話

 はぁ〜、余は一体何をやっているのだ…。


 せっかくのチャンスを何をやっているのだ。


 余が魔法少女なんかと手を組むはずがないだろう、なのにメッカの野郎逃げていきやがって。


 あの野郎意外とビビりな性格しやがって、弱虫野郎が!


 何だよ、自分の強さに自信でも無いのか?


 …そうだ、あいつは強くなっていた、あいつはまだ何かを隠しているに違いない。


 謎の多い奴だ。


「いや〜大活躍でしたポヨね〜」


 余が考え事をしているのにこいつはお気楽だな。


「うるさい」


「なんだかんだ言って魔法少女のこと助けちゃう所流石って感じポヨ」


「助けたくて助けたわけではない、たまたまそうなっただけだ」


「いやいや、宇野さんのあの魔法少女を助けたいと思う気持ちが見て取れたポヨ」


「お前余を煽ってるだろ」


 余は妖精の顔面を鷲掴みをして、握り潰そうと力を入れる。


「痛い!痛いポヨ〜!冗談ポヨ!ほんの冗談ポヨ〜」


「2度とそんな面白くもない冗談を言うなよ」


「はいポヨ」


 余は妖精の顔面から手を離す。


 こいついつになったら出ていくのだ、もうすっかり我が家みたいな顔で住んでいるが。


「今日は何のゲームをするポヨ〜?」


「余は何でも負けないぞ」


 まぁ別に良いがな。



 ***


 

 次の日の朝、余は何も無かったかのように学校に登校をする。


 今の余はナイトメアでも無い、何でも無い普通の男子高校生なのだから。


 さぁ寝よう寝よう。


 余は席について、早速寝る態勢に入る。


「起きなさい」


 後ろの席の奴から声がかかる、後ろの席の奴、つまり金髪だ。


「んぁ、何だよ」


「何で昨日勝手に帰ったのよ!」


「勝手ではないだろう、ちゃんと用事ができたと言っただろう」


「そんな勝手なこと許した覚えがないわよ」


 あれ?こいつなんか性格戻ってないか?また舐め腐ったような性格になっていないか?


 それにこいつずっとニヤニヤしている。


「まぁいいわ、そんなことより聞きなさい!私は恋に落ちてしまったのよ!」


 うわぁ、どうでも良い〜。


 こいつの恋事情なんか一ミリも興味ない。


「へー」


「誰か聞きたそうな顔をしてるわね!」


 してねぇよ!


「そんなに聞きたいなら言ってあげる」


「嫌なら別に良いぞ」


「私の好きな方は」


 聞いてないな。



「ナイトメア様です」


 !!?!


「へ、へぇ、でもそいつって敵なんだろ?そんな奴好きになったのか?」


「敵なんて関係ありません、私は好きになってしまったのだから。むしろ敵同士だから燃える恋って素敵だと思わない?」


「そうとは限らないけどな」


「ふんっ、勝手に言っておきなさい!私とナイトメア様の赤い糸は誰にも断ち切れませんから!」


 もういいや、バレなければいいだけの話だ。


「お前の恋は置いておいて、今日のボランティアはどうするのだ?」


「それのことなんだけど、今後は1人で友達作りを頑張ってみようと思うの」


 え?それはありがたい。


 なんだかんだでこいつも成長しているのだな。


「1人で大丈夫なのか?」


 成長しているとは言え、まだまだだからな。


「大丈夫!私は頑張れる奴だから!」


 何ニヤニヤしているのだ?





 気持ち悪い。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 大日向凛編は終了です。

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