2年生編 第24話

 こいつらいつまでデカブツに手こずっているのだ!


 勘弁してくれよな、こっちはメッカだけでも大変だと言うのに。


「おい!いい加減にしろ!いつまで手こずっているのだ。さっさと倒せ!」


 余は怒りに任せて叫ぶ。


「そんなこと言ったってそいつ強いんだもん」


 何の為に人数を増やしたのだ…。


「さっさと合体技を使って倒せ!」


 余がこの世で1番嫌いな言葉だ、合体技がなければ余はすぐに地球を征服出来たというのに。


「余はまた戦うから邪魔させるなよ!」


 まったく…、あいつらはなぜこんなにも弱いのだ。


 あいつらの九割くらいは合体技で出来ているからな。


 頼むから余とメッカの戦いの邪魔をするなよ。


 余はメッカと向き合い、また戦いが始まろうとしてい


 ビュンッ!


 ドンッ!


 余の背中に重みを感じたころにはまた地面に叩きつけられていた。


 なぜ今日2回もこのようなことが起きてしまうのだ…。


 しかも、今余とメッカの戦いが始まろうとしていたところを邪魔された。


「お前らは一体何をしているのだ!」

  

「だから怪人化が強いんだって」


「いや、だから合体技を使えと言っているだろう!」


 合体技を使ったら勝てるのにこいつらはなぜ使うことをしないのだ。


 5人になったということは威力は上がっているはすなのだ。


 合体技は掛け算だから人数が増えれば増えるほど強くなるからデカブツなんかに負けるはずがない。


「合体技が使えないの!」


 合体技が使えない…?


 合体技が使えないということは考えれることは一つしかない。


 魔法少女の誰かが精神が乱れてしまっているのだろう。


 そして、その精神が乱れている理由は大体はデカブツの中にいる人間が原因なんだが…、誰がデカブツになってしまったのだ?


 ……!


 あーはいはいそういうことか。


 デカブツの中にいる人間は金髪の母親だった。


 ということは魔法が使えなくなっているのは金髪が原因かよ。


 ちっ、は〜落ち着け、ここで怒って仕方ない、これには余が原因のところもあるからな。


 仕方ない余が相手してやる。


「おい!魔法少女ども!選手交代だ!」


 余がデカブツ、魔法少女どもがメッカと戦う。



 ***



 私は生まれてきた時から家を出るまで親に虐待されながら育ってきた。


 今でも親のことが大嫌いで殺したいとも思っている。


 私は誓った、私に子供ができた時は絶対に幸せにしてみせるって。


 そして、私に子供が産まれた。


 本当に可愛かった、目に入れても痛くないっていうのはこういうことなのかと思った。


 こんなに可愛いのに私の親はなんで私を虐待することが出来たのだろう?


 あいつらは本当は人間ではないのだろうか?


 甘やかし過ぎなのかもしれないがそれくらい凛は可愛かった。


 だから、なるべくやりたいことはやらせてあげたし、欲しい物は買ってあげた。


 私の誕生日にプレゼントをくれた日には泣いて喜んだ。

 

 だけど友達については厳しくなってしまった。


 私の夫はとある企業の社長で、凛を見ている目は凛ではなく、夫の社長を見ていた。


 だから、友達については厳しくなってしまった、たとえ毒親と言われようがモンスターペアレントと言われようが、凛が幸せならそれでよかった。


 そして、最近凛の様子がおかしくなっていた。


 どうやらボランティアをしているらしい、私は危ないから辞めなさいと言った。


 しかし、凛は初めて反抗をした。


 凛がどこか遠くに行きそうで怖かった。


 ……私はどこで間違ってしまったのだろうか。




 


 これ何とかならないのか?



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る