2年生編 第3話
待て!
まだ確定ではない、まだ可能性の話だ。
金髪にあのプライドの高そうな感じが昨日見たイエローに似ていたってだけだ。
まだ、まだその可能性があるっていうだけの話だ。
だが、ブラックは確定だろうな、あのド陰キャの感じはもう今後見ることはないだろうからな。
もし、もしイエローが確定してしまったら後ろにイエロー、横にブラックがいる状況になってしまう。
だとしたら余の2年生は終わってしまう。
ただでさえ、ブラックの確定で2年生は半分終わったものなのに…。
頼むから余の勘違いであってくれよ。
***
あ〜、やはり一人が落ち着く。
昼休みになりいつもの場所で余が朝作った弁当を食べている。
いつもは佐々木がいるのだが、今日は来れないらしい。
あいつは余の下僕なのに来れないとは一体どういうことだ。
まぁそれはいつか指導してやるか、ちゃんと下僕らしいようにしてやらないとな。
佐々木のことなんかどうだって良いんだよ!あの魔法少女(仮)が気になって仕方がない。
まともに授業を受けようとは思わなかったが、隣と後ろが気になって、気になって、結局何も話が入ってこなかった。
「ご飯が欲しいポヨ〜」
お腹を空かした妖精が来た。
「ほら」
余は作ってきていた弁当を妖精に渡す。
「わ〜ありがとうポヨ〜」
「次はちゃんと自分で持ってこいよ」
妖精は魔法少女に万が一のことが起こらないように念の為に学校に来ている。
次からは自分で持ってこささないと、余は普段佐々木と食べているから妖精が来たら佐々木がパニックになってしまう。
「おい、本当にイエローとブラックのことは知らないのか?」
「分かんないポヨ〜。ごめんね」
「まぁ、知らないなら仕方ない」
別に謝ることではない、知らないなら仕方ない。
「お前は誰が魔法少女なのか分かるのか?」
もしかしたら妖精の力で魔法少女を見分けられる力があるのかもしれない。
「ん〜、どうだろう?もしかしたら分かるかもしれないポヨ〜」
お、初めてこいつのこと見直したかもしれない。
ん?
「おい、隠れろ!誰か来るぞ」
「わ、わ?わ!わ?!」
パニックになるなよ…。
というかここに人が来るなんて珍しいな、3ヶ月に1回くらいなのにな。
「あ!やっと見つけたわ!」
そう言って余に指をさしている奴は先ほどから噂していたプライド金髪女だった。
こいつ余を探していたのか?
「余のことをか?」
「ええ、あなたよ」
なぜこいつは上から目線なのだ?
「宇野章大!この私と勝負しなさい!」
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