第104話
「だったら次は俺様と戦ってくれるか?」
デカブツを倒して帰ろうとしたらデスゴーンが直接余のところに現れた。
久しぶりだな、冷や汗をかくの。
いつもと雰囲気が違う、本気で余を殺す気だ。
「急にどうした?いつもは陰でコソコソしている奴が」
「別に良いだろ、遅かれ早かれこうなっていたんだからな」
「それもそうだな」
「お、やる気か?」
「それはお前がだろ」
こんな余を殺す気で来ていて何をシラを切っているのだ。
これは本当にヤバいかもしれないな。
「やるか?」
「ああ」
まぁここで余が勝てば何も問題はない、ここで勝てば一気に王に近づけれる。
さぁ始めようか。
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ーーー
ー
「ハァハァハァハァ」
余は肩で息をする。
まさかここまで手強いとはな。
「おいおい、こんなものなのか?」
「うるせぇ、まだ余は本気を出していない。それにお前は痩せ我慢しているだけだろ」
流石にあれで効かなかったと言われたらどうしようもなくなってしまう。
「ああ、だがお前ほどではない」
「さっきも言ったが余は本気を出していない。まだ準備運動をしていただけだ」
「お前の方こそ痩せ我慢をしていないか?」
「余がそんなことをするわけないだろ!」
「じゃあ次は全力でこいよ。完膚なきまでにお前を潰してやる」
「それはこっちのセリフだ!」
さぁ第二ラウンド開始だ。
***
ふぅ〜、五分五分か。
本気でどっちも一歩も引かない戦いをしたのはいつぶりだ?
このまま戦ってらどちらかのジリ貧か、相打ちかのどちらかだろう。
「お前と戦って分かった、お前の正体をな」
余の正体?
こいつは余の正体を知っているのか?
なぜ戦っている最中でこいつは余の正体を分かったのだ?
これまでは何も知らなかったのに。
「余の正体とは一体どういうことだ!」
余がどうやって生まれて、なぜ余がマナを持っているのか、余は人間なのか?デスゴーンなのか?
「言葉の通りだ」
「余は一体何者なのだ!」
「教えるわけがないだろ、教えても何もメリットが無い」
そうだよな、こいつが頼まれて教えるような奴ではない。
「なぜだ!今までは何も知らなかっただろ!なのになぜ急に余の正体を知ったのだ」
「それぐらい自分で考えてみろ」
こいつは教えるわけがない、分かっているのに、自分の正体が分かるかもしれないと思うとデスゴーンだろうとそんなことは関係ない。
「代わりに良いことを教えてやろう。俺様の名はメッカだ」
「じゃあデスゴーンは何なのだ!」
「それは俺様たちの種族の名だ」
種族?
こいつみたいな奴がまだいるのか?
だが、女神はこいつ以外にはいないと言っていたはずだ。
誰だ?誰が本当のことを言って誰が嘘を言っている。
「今日はこのくらいにしておいてやる。まだ俺様は完全体ではない、あともう少しで完全体になるからな、その時は魔法少女と共に殺してやるからな」
「おい!逃げるな!まだお前に」
「じゃあな!」
デスゴーン…いや、メッカは余の言葉など聞くはずもなく、帰って行った。
あいつは余の正体を知っていて、デスゴーンは種族の名前で、ということはメッカの他にもデスゴーンはいるはずなのだが、女神はいないと言っていた。
何が何なのだ!
何が本当の情報で何が嘘の情報なのだ。
いきなりの情報が多すぎて余の頭はパンク寸前だ。
せっかく新しい情報を手に入れたのに謎が深まるとはな、なぜこんな面倒くさいことになったのだ。
しかも最後に完全体がどうとか言っていたが、あれはただのハッタリか?それとも本当にいずれかは完全体になるのか?
もう…疲れた…。
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