第15話 プリフォーのキャンプ合宿初日の夜から翌朝にかけて
PM9時30分。
露天風呂から出た俺はコテージに戻っている、4人はまだ戻ってきていない。
今のうちにコテージの外に一人用のテントを張る、部屋はだだっ広いが一部屋で仕切りもない、流石に年頃の女の子と同じ空間で一緒には寝れないだろ?
テントを張り終えた頃に4人がそろって帰って来た。
「あれっ? 何でテントが張っているの?」
臣が不思議そうな顔をする。
「俺の寝床だよ、流石に一緒じゃまずいだろ」
少女はなおも不思議そうな顔で、
「別にいいじゃん、寝ながら話そうよ~」
と言うが一人で考え事があるんだよと言って断る。
臣は3人に、かえるがいても良いよね? と問うが皆無言を貫いている。
パンパンと二度手を叩き、
「さあ、明日も早いし寝るぞ、特に臣、10時には布団の中に入っておくこと!」
暫く不満な顔をしてブーブー言っていた。
皆がコテージに入ったのを確認してから俺はテントに入る、コテージの電気が消えるのを確認してから寝ようと思っていたが23時、0時と明かりが消えない、あいつら~、早く寝ろといったのに、そうと思っていたところでやっと明かりが消えた。
AM0時30分。
テント内で明日のレッスンメニューを再度確認後に消灯することにした。
ピピピピッ、チチチチッ、鳥の鳴く声が聞こえる、夜が明けたようだ。
AM6時30分。
身支度を済ませテントをたたむ、4人には昨日の疲れもあるだろうから8時にコテージ前に集まってくれればいいと伝えているので俺はのんびり散歩する、歩きながら考え事するのは良い案が浮かんできやすいので好きなんだ。
30分程たってコテージ前に戻ると誰か踊っている人影がある、まだ集合時間には余裕があるのでゆっくりしていてもいいのだが・・・・。
「おはよう、彗夏早いな」
「あっ、おはようございます」
人影の正体はボーイッシュな女の子、ショートカットの似合う
「テントが折りたたんであったので起きているとは思っていましたがどこか行っていたのですか?」
「ちょっと散歩にな」
それより昨日寝るのが遅かっただろ、0時過ぎても電気がついていたぞ、そう注意すると、臣はしっかり22時には寝かせたからと言い訳する、本当困ったリーダーだよ。
「今踊っていたのは今度の新曲で披露したいと言っていたダンスだよな?」
「そうです、どうですか?」
「良いと思うよ、伊莉愛と二人で踊っているところが見たいな」
「はい、社長にも認められたいです、今回の合宿で少しでもレベルアップして見せつけてやります!」
「そうだな、俺も出来る限りサポートするよ」
彗夏は笑顔でハイと頷き再度ダンスを踊りだした。
集合迄50分程度時間があるので再度ブラブラと散歩する、
中学になりストリート系の格好いいダンスをしたかったが部活動にはチアリーディングしかなかったのでダンスの基礎になると思い入部したと言っていたな・・・・。
振り向くと遠く離れたコテージ前で一人踊っている彗夏の姿を見る、さっきは困ったリーダーだと呟いたが皆をまとめる力、ストイックで努力家な所、率先して何事も取り組む姿勢に感心しているのだ・・・・。
彗夏、伊莉愛との出会いは以前伝えた通りだが二人が事務所に入ったいきさつはこうだ。
一話のラストで語った、プリフォーの四人が始めてそろった所から話そう・・・・。
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