第4話 僕の彼女がカエルになった理由。
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薄暗い六畳間の俺の部屋、ベッドの上で仰向けになっている、涙が目尻を通る、薄く目を開けると突然球体の光が目の前に現れた、身体が動かない、金縛りか、初めての体験だ・・。
「なっ、何だ!?」
やっと声が出た、でも体はやはり動かない、すると目の前の光の球から得体のしれない何かが顔にかぶさってきた。
視界が真っ暗になり恐怖感が増す、体が動く! 直ぐ顔に付いた何かを引っぺがして投げつけた。
『痛!』
その何かは確かに『いたっ』っと声を出す。
うっ動いている・・・・、生き物だとわかった、ただ何だろう今まで生きてきて見たことの無い生物だ、本やテレビでも見たことが無い・・・・。
それは何て言ったらいいのだろう、カエル何だ、カエルを大きくした感じ、色は白でカエルの様な姿、二足歩行、尻尾があり頭と背中に水色の毛が生えている、三十センチはあるだろうか、パッと見大きさもあるので子犬に見間違いそうだがカエルなんだよ。
その生き物はゆっくり起き上がり
『酷いじゃないでちゅか! 彼女に対して!それはないでちょっ!』
僕は絶句する、
「今なんて言った・・・・」
『彼女を投げ飛ばすとは何事でちゅかと言いまちた!』
・・・・・・・・
「たまき・・ちゃん?」
『見ればわかるでちょ!』
「いや分かんないよ」
そばに置いてある手鏡を恐る恐る自称彼女に手渡したてみた。
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~何でちゅかこれわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!! これがボクちゃん? まるでカエルじゃないでちゅか!』
「
『やかましいでちゅ! 名前の事を言ってるんじゃないでちゅよ! ・・うっうっうっ・・どうやらあの夢は本当だったんでちゅね・・・・』
「ん? どういうこと?」
『じつはでちゅね・・ボクちゃん還流君の家に行く途中で川に溺れている子供を見て慌てて飛び込んだんでちゅ、子供が助かったのは良いけどボクちゃん体力が尽きちゃいまちて溺れてしまったんでちゅよ』
「うん、そこまではだいたい聞いているから知っているよ、さっきまで病院に居たんだ、環ちゃん真っ白い顔で寝ていた」
『そうだったんでちゅか・・・・』
「で、夢って?」
『あっそうでちた! ボクちゃん幽体離脱しまちた! 自分の溺れている姿を見下ろす形でふわっと天に昇っていく感じがして、あ~このまま短い人生終わっちゃうのかな? と思っていたら目の前に死神が現れたの、えっ! 私天国じゃなくて地獄に行くの? え~何も悪いことしてないのに(たぶん)そしたら死神が話しかけてきて』
【お前は今から千人の人間を笑わせるのだ、出来なければ一生そのままの姿だ!】
そのままの姿って? ・・・・えっ!?
「自分の姿を見てびっくり、カエルのような姿になっているじゃないの、死に際に見る夢にしても恐ろしくて、かってな想像だけど死ぬ時って天使に囲まれて気持ちよくふわぁっと天に昇って行くのだろうな~って思っていたのに、死神は出るはカエルにされるはで、自分の姿見て還流君思い出して、還流君私がいなくても大丈夫かな? と思っていたらスッと下に落ちる感覚がして、そうジェットコースターで上から下に落ちる感じ? あ~私地獄行きなのーっと思っていたら」
『目の前に還流君が居て今に至るとでちゅ!』
「ははっ、何だか信じられないけど実際目の前に居るわけだしねぇ」
『どうしまちょ、どうしまちょ!』
そう言えばさっきからずっと疑問だったんだけど
「何で赤ちゃん言葉使ってんの?」
どうやらこの姿に変えられたせいなのかしゃべり方が赤ちゃん言葉になってしまっている、一人称も私からボクちゃんになっているし、まったくもって不思議だ。
環ちゃんは今にも泣きそうな声で言う。
『千人の人を笑わせないとずっとこのままの姿だと言われたんでちゅけど、どうしたらいいんでちゅかねぇ~』
しばらく考えて。
「その姿とっても可愛いと思うしずっとそのままでも良いんじゃない」
そういうと白い顔を真っ赤にさせた環ちゃんは。
『馬鹿言わないでくだちゃい、本気で怒りまちゅよ!』
「ははっ冗談だよ」
『ん~もう!』
僕は正直嬉しかった、環ちゃんがどんな姿形であれこうやって話せることが・・・・。
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