文章の作成にあたって

 前回はなんか生い立ちみたいなのを長々と話しましたが、今回は話や文を作るにあたって意識していることを話していきます。


 私の場合のひとつの小説を作る順番に説明していくとすると、


 世界観設定→キャラクターや全体を通しての大まかなストーリー設定→細かいストーリーの流れ→文字起こし


 という感じです。


 この中でわたくしが重視していることは世界観設定とキャラクターや全体のストーリー設定です。


 世界観に至っては後のキャラクター設定やストーリーの流れ、更には文字起こしの際の言葉遣いなんかにも関わってくるのでかなり重要だと思います。


 いい加減にしてしまうと

「あれ?この時代設定にこの言い回しは変じゃないか?」

「ちょっと古臭いキャラ設定なのかな?でもそうでもない?」

 ってちぐはぐなことになってしまうので早いうちにしっかりさせておきましょう。

 実際こういうのってかなり目立ちます。


 それと情景描写がしづらくなります。


 描写をするにしてもその世界にあったものを配置しないと重要な場面なのになんかコメディみたいに腑抜けた印象になってしまうこともあるかもです。


 逆にコメディはこういうミスマッチで相手の笑いを誘うことができますが、どっちにしろ現代やファンタジーの固定のビジュアルを定めてしまったほうが話は進めやすいと思います。


 ここでそもそも情景描写とはなんやと。


 よく企画なんかで情景描写の勉強会とかってありますよね。


 情景描写、つまりは場所や周りの状態の説明などのことです。心情なんかもここに当てはまります。


 情景描写は小説の要になりうるものです。わたくしはかなりこれを重視してる方で、小説の善し悪しはここで決まると個人的に思っています。


 今回はこの場で個人的な見解を説明させていただきます。


 ネット小説はこれが少なめの傾向です。下手すればなしという感じのもあります。ホントセリフだけの小説です。


 そういうのはやはり文字量が少ないのでさくさくと読めるというのがメリットになります。スマホとかパソコンで読むのにも向いてます。


 しかし、この場合当然デメリットというものもあります。


 文から得られる情報が少ないということです。


 これが何を意味しているのか例を上げたいと思います。


 Aさん、Bさん、Cさんが今から見せられるイラストの説明を行うとします。

 イラストの中身はウサギを撫でている女の子です。




 Aさんの説明


「女の子とウサギがいる」




 Bさんの説明


「女の子がウサギを撫でている」




 Cさんの説明


「女の子が原っぱに座って幸せそうに白いうさぎを撫でている」




 この場合、Bさんが標準的な説明をしているといえるでしょうか。


 比べてAさんの場合はほんと必要最低限しか説明していません。Cさんは女の子とウサギにさらに風景にまで細かい説明が入っています。


 この例を作るにあたってわたくしはCさんのような映像を頭の中に思い浮かべました。


 これを踏まえて他二人の説明をもう一度見てください。


 日常会話などにおいてはBさんのような説明でも足りるとは思いますが、これではわたくしが思い浮かべた映像と説明を読んだ読み手が浮かべた映像に結構差異が出てくると思います。


 実際原っぱじゃなくて部屋の中とか、女の子の表情は違うものを思い浮かべた人もいると思います。


 Aさんに至っては論外です。

 現実でもこれでは言葉が足りてません。この説明だと撫でるという動作は聞き手には浮かんではこないでしょう。


 これが文字から得られる情報量の差というものです。


 情報が多ければ多いほど自分が頭の中で思い浮かべている状況などが相手にも伝わる。

 少なければ相手はそれを自分の想像で埋める必要があるので作者と読者との想像の捻れ、あるいは情報が無さすぎて映像が見えてこないということになります。


 簡単に言えばわかりにくい。


 ここでの注意点は太宰治なんかの純文学とはまた違うわかりにくさが発生します。

 あれは描写の表現や言い回しが難解というものなので繰り返し読むなどをすれば理解することが可能です。


 この情景描写の不足というのは情報の不足とイコールで結ぶことが可能です。

 なのでいくら読んでも情報が足りないので映像が見えてこない、足りないものを自分で補うしかないので自分が思っていたことと作者が思っていたことが違って今まで把握していた話を思い直す必要がある。


 それが重なると結局この話はどういうことなんだ?ということになってしまいます。


「文字は少なめで読みやすいのに内容は読みにくい」


 なんていうちょっと支離滅裂気味の小説が完成します。


 そういうのを何本も見てきました。

 セリフだけのやつって言っちゃ悪いけど小説じゃなくてもう台本だよねって思ってます。


 ネット小説やラノベを読みなれてる人からすれば現代文庫は長ったらしいから嫌いだと思われるかもしれませんね。

 でも普段から文庫本なんかを読んでる者からすればネット小説はわかりにくくて疲れると思われてます。

わたくしがそうです。はい。


 ラノベは文学じゃない!っていうことは暴論気味なのであんまり言いたくないですがそう言われてしまうのにも納得している部分もあります。


 恐らく情景描写をすると自動的に長さがネット小説の中では長すぎる部類に入るので、皆極力短くしようとするのが原因でしょうか。

 だいたい当サイトの1話あたりの平均文字数って2000字から3000字っていうのを見たことがあるような。


 でもこれって本にするとかなりぺらっぺらな字数です。文庫本の1ページだいたい600字の言われているので3000字の場合は約5ページ。


 本当に短い部類の短編レベルです。本によれば序盤のじょの字にも差し掛かってないです。


 情景描写を丁寧にしたい方はもう文字数の方は諦めるしかないです。正直3000字くらいで収めるのはかなり無謀かもです。

 一度だだだだと終わりまで書いてしまって、ぷちぷちと切ってしまうしかないですね。ネットの中では長文の方になってしまう覚悟でおねがいします。


 じゃあ、どうすれば情景描写の力を身につけられるか。


 結構簡単な方法があります。


 ネット小説以外の本を読んでください。


 純文学とまで行かなくても大丈夫です。というかそれはそれで上記に示したようにわかりにくいのでオススメしません。


 こういうのは必要最低限(小説と胸を張って言えるくらいには)描写がされているので勉強になります。


 最近話題の本のコーナーにあるものでもよし、ドラマなんかの原作の本でもいいです。とにかく読んでみてください。色んなのを読むのでもいいし、わからなかったら繰り返し読んでみてもいいです。


 とにかく気になったものを読んでみるのがいいと思います。


 そうすると自然と文からの情報で頭の中で映像を作ることに慣れてくると思います。

 そして頭の中で映像を作ることが可能になるのでそれを元にして細かい描写をして行けば大丈夫だと思います。


 これを繰り返せばある程度の描写力はついてくると思います。既に描写はけっこうしてるから技法なんかをもっと知りたいって方はハウトゥー本なんかを買ってください。わたくしが説明できるのはここまでです。


 今回はかなりの量になってしまいましたね。

 結構普段から思ってたことが書けてまあまあ楽しかったです。



 …………え?何か忘れてないって?



 …………あっ、全体のストーリー設定とかのこと……?


 えっと………はい。


 …………。


 今回はこれ以上続けるのは流石に長くなりそうなんで次回に持ち越させていただきます……。


 いや、まさかこんなんになるとは思ってなかったもんで………

 ということで次回は多分そっち方面の話をします。


 じゃ、じゃあ次もよろしくお願いしますね……(震え)


 さよなら。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る