433.皇帝親征


 その日、帝都クーロンは異様な熱気に包まれていた。


 皇帝親征――カイザーン帝が直々に、隣国の征伐に向かうのだ。


 まるで神々が祝福しているかのような、雲ひとつない晴天。しかしそれもそのはずで、統計上、最も帝都が晴れやすい日が出征に選ばれていた。


 沿道は帝都の住民で溢れかえり、敬愛する皇帝が現れるときを、今か今かと待ち望んでいる。



 そして――その時は来た。



 皇帝の居城『浮遊宮殿』より、続々と吐き出されていく軍勢。帝国史に刻まれるであろうパレードが、ついに始まった。



 まずは、きらびやかな儀仗装備を身にまとった、近衛騎士団が先導する。騎兵突撃用の長大な刺突剣を携えた騎士たちが、大柄な騎馬にまたがって隊列を組み、整然と進んでいく。騎士たちは帝国の紋章の描かれた赤色のサーコートを羽織り、騎馬にも同色の馬衣を着せていた。統一感のある騎馬軍団が規則正しく蹄の音を響かせる光景は、まさに圧巻。高い練度を窺わせる。


 続いて、赤い僧衣の上に鎧を装備し、銀色に磨き上げられた剣と盾を掲げる光刃教僧兵団が厳かに進んでいく。彼らは聖教会に前に光刃教の洗礼で聖属性に目覚めた上位教徒であり、各人が厳しい鍛錬を積んだ魔法戦士だ。姿勢はもとより、足の角度までぴったり揃った行進を見せながら、銀色の燐光をほのかに散らす様は、天の遣いと言われてもうなずけるほどに神々しい。


 そして――近衛騎士たちに厳重に警備された巨大な馬車が、がらがらと重い車輪の音を響かせながら大通りに進み出る。


 8頭曳の二階建てという、前代未聞の大型馬車だ。名匠の手による木彫りの装飾がこれでもかと施され、金箔がふんだんに用いられたデザインを、荘厳と取るか、悪趣味と取るかは――人によるかもしれない。少なくとも、帝都では好意的に受け止められる意匠で、皇帝に相応しい馬車とみなされている。


 何と言っても目を引くのは、馬車の屋根に鎮座するブロンズ像だろう。馬車と同様に、金箔や宝石で飾り立てられた、全身鎧を身にまとう威厳に満ち溢れた偉丈夫。


 それは帝国の祖、勇者にして初代皇帝・カイザーンの像だ。


 ドラゴンの頭を踏みつけ、聖剣を掲げた姿を象っている。驚くべきことに、その手に握られた聖剣は、ドワーフ鍛冶に打たせた本物だった。皇帝専用馬車の装飾に使うためだけに、聖剣を打たされたドワーフ鍛冶の心境はいかほどばかりか――しかし、少なくともその仕事に手抜かりはなく、どこまでも鋭利な刃が日光を受けてきらめいている。


 そしてカイザーン像の直下、馬車二階の先頭部分は円形のバルコニーのような構造になっており、そこで、皇帝リーケン=ホッシュトルン=リョード=カイザーンが、沿道を埋め尽くす民衆へ鷹揚に手を挙げていた。


「皇帝陛下万歳!」

「帝国に栄光あれ!」

「悪徒に正義の裁きを!」


 大喝采。


 帝都の住民の大部分は高度に情報統制されており、此度の親征がハミルトン公国に巣食う悪逆非道な貴族を討ち取り、公国を圧政から『解放』するためのものだと信じて疑わなかった。


 正義は、大義は我ら皇帝陛下にあり――


 大通りに接する背の高い建物の窓という窓から、歓声とともに色とりどりの花びらが撒き散らされ、パレードに降り注ぐ。


 カメリア、リンドウ、ウィステリア、クロッサンドラ――自然の花ではなく、この日のため人工的に温室栽培され、大量に用意されていたものだ。季節を問わぬ多彩な花びらに、青空の下、帝都が極彩色に染め上げられるかのよう。


 今日という輝かしき日がさらに華やぐだけでなく、民衆の目をも楽しませた花びらは、騎士や騎馬にひらひらと舞い降りては、やがて地に堕ち、蹄と軍靴と車輪に踏みにじられていく――



 そうして、たっぷりと時間をかけて帝都を練り歩いた皇帝一行は、郊外にて停止。



 休憩を挟みつつ、儀仗用の装備をより実用的な旅装に替え、実戦用の装備も荷馬車に積み込んで本格的な出立の用意を始める。


 下々の者がせわしなく準備に奔走する一方で、至高の者たる皇帝リーケンは、馬車二階のバルコニーにソファを出してくつろいでいた。


「とうとう、この日が来た……待ち侘びたぞ」


 クリスタルガラスの盃を差し出すと、控えていた女官がアーリエン・ビーミの50年物をトクトクと注ぎ入れる。


 ぐいっと盃をあおる皇帝。上質で、芳醇な味わい。健康のため日中は酒を嗜まない主義のリーケンだったが、今日は特別だ。彼の人生で初となる外征が、覇業の第一歩がついに始まったのだから。



 ――ハミルトン公国併合の是非を問う、御前会議を思い出す。



『この侵攻作戦においては、余が前線にて指揮を執る』


 リーケンの宣言に、重臣たちは顔を見合わせて、何か言いたげな様子だった。


 これが、『余が前線にて指揮を執ろうと思うが、どうか?』という問いかけだったなら、口々に異議を唱えていたかもしれない。が、リーケンは問いかけではなく、断言した。それすなわち、皇帝の意志が固いことを示す。


 ならば、よほどの理由がない限り、反対すること自体が、不敬とみなされかねなかった。


『陛下のお手を煩わせるまでもないかと愚考いたしますが……』


 唯一、控えめに物申したのは老宰相だ。


『うむ。言わんとしていることはわかる。これにはふたつの理由があるのだ』


 リーケンは『案ずることはない』とばかりに微笑み。


『まず、亡き先代皇帝陛下に代わり、光刃教僧兵の仕上がりをこの目で見届けたいということがひとつ』


 ――光刃教。


 それは先代皇帝が主導した、脱聖教会政策のひとつ。聖教会に代替する国教を立ち上げ、聖属性に目覚める人材を、聖教会に取られる前に国が確保してしまおうというものだ。


 聖教会は政治的には中立と言いつつも、各国に強い影響力を持っている。人類の敵に対する戦力ということもあるが、それに次いで大きな要因として、『神官』という優れた癒者ヒーラーを多数抱えていることが挙げられる。


 要は、聖教会は各国の医療分野の大部分を担っているため、聖教会に歯向かう者に対して、治療行為の停止や治療費の値上げなどで制裁を加えることができるのだ。


 この影響力の行使を良しとしなかったのが、先代皇帝だ。そもそも、聖教会は成人の儀で聖属性に目覚めた者を当然のように召し上げてしまい、神官や勇者として教育していくわけだが、これは国家が得られるはずであった優れた魔法の使い手の、不当な独占に他ならない、というのが先代皇帝の考えだった。


 もちろん、それが古来より続く人族国家の慣例であり、聖教会に次世代の担い手が絶えず流入することで、人族の繁栄が支えられてきたことも事実なのだが――


 だからといって有用な人材を掠め取られるのは、国としては面白くない。


 そこで登場させたのが、光刃教だ。


 初代皇帝カイザーンの像からわかる通り、カイザーン家は勇者の血脈で、聖属性の『仕組み』についても熟知している。


 聖教会のやり方を模倣すること自体は、そう難しくなかった。光刃教の教義や儀式は、聖教会のそれに似たものが多いが、他種族に対する人族の優位性を説いたり、国への奉仕を賛美したり、カイザーン帝の支配権は神から与えられたものとするなど、皇帝の正統性をより高めつつ国にとって都合のいい教義を多数盛り込んである。


 さらに、光刃教徒には若干の減税をするなどの優遇措置を図ることで、国民をじわじわと聖教会から引き離していき、聖教会の成人の儀ではなく光刃教の洗礼を受けさせることで、聖属性の使い手(=魔力強者)の確保に成功した。


 当然、聖教会は猛反発してあの手この手で妨害してきたが、帝国はその圧力に屈しなかった。治療行為の停止などで苦しい時期もあったが、今では光刃教の上位教徒も育ち、ヒーラーの数も充分に確保できている。


 そうして、先代から受け継いだ光刃教の僧兵――すなわち、聖教会でいうところの『勇者』軍団を、この侵攻作戦に投入することになっていた。勇者を、人族国家間の戦争に投入するなど、聖教会に頼り切りの状態では考えられなかった芸当だ。


 皇帝リーケンは是非とも、その戦いぶりをこの目で見届けたいと切望していた。


 ――それが、先代皇帝、すなわち父の悲願であったから。


『ふたつめの理由だが……余は、帝国軍が公国を迅速に制圧できると確信している。しかし占領地域を掌握し、速やかに実効支配するのは容易ではない、とも認識しているのだ』


 リーケンの言葉に、重臣たちも表情を引き締める。


 この場にいる全員が、戦力的には、公国軍を打ち負かすことは難しくないと考えていた。しかし公国人は、厚かましくも帝国から離脱してからというもの、非常に独立心が強く、占領地域ではそれなりに抵抗があることが予想された。


『公国とは、もとは帝国の一地方に過ぎぬ。それは動かしがたい事実であり、余こそが正当なる公国の支配者である。しかし、『これよりこの地を帝国領と定めるものとする』という書簡をただ渡しただけでは、ハミルトンの田舎貴族どもも納得すまい。土地の支配とは、人の支配である。彼の地を帝国領として速やかに迎え入れるためには、余の威光をもたらすことが必要不可欠なのだ』


 少なくともリーケンは、心の底から、己がハミルトンの地を巡幸すれば地方貴族が心酔するものと信じていた。


 重臣たちも、『いや、それは……』などとは口が裂けても言えるはずがなく、果たして皇帝親征はすんなりと決定したのだった。



 まあ……浮遊宮殿に留まるよりかは危険なことに違いはないが。



 戦力的には過剰もいいところなので、皇帝が出向いても万が一のことはあるまいという判断だった。



 今回の侵攻は電撃戦だ。国境に大規模演習と称して戦力を集結させ、一気に攻め込んで公国南西部を実効支配する。そうして鉱山などの資源を手中に納めるのだ。


 帝国軍の2個師団1万6千に、皇帝親征に付き従う近衛騎士団300、光刃教僧兵団200。さらに国境周辺の帝国領主軍も合流し、2万弱の軍勢になるだろう。これは帝国にとっては戦力の一部に過ぎないが、公国の全戦力を上回って余りある。


「祖よ。聖王カイザーンよ」


 ソファから立ち上がったリーケンは、馬車の屋根から自分を見下ろす初代皇帝の像を仰いだ。


「必ずや、貴方様より受け継いだこの国をさらに鍛え上げ、人類に希望をもたらしてみせましょうぞ」


 魔王軍に対抗するには、富国強兵を推し進めなければならない。


 帝国が自由に使える鉱物資源を手に入れるため、ハミルトン公国を併合する。


 その過程で血は流れるだろうが、結果として、魔王軍を打倒できるならば、それでいいのだ。


 ――それが人類のためであると、リーケンは信じている。


「……そもそもオラニオの奴めが、鉱物の専売なり領土の割譲なりをすんなりとまとめていれば、こんな真似はしなくとも済んだのだが」


 ソファに座り直したリーケンは、少しばかり不機嫌になって、盃を傾ける。



 帝国の傀儡である、ハミルトン公国の現公王オラニオ。かつて帝国に留学してきた際に、あの手この手で骨抜きにされたオラニオは、都合の良い操り人形――



 の、はずだったのだが。



 どうしようもない愚物というのは、やはりいるらしい。帝国の意向にただ従うことさえできなかったようだ。公国貴族を懐柔するための資金や、弱みを握るための諜報員、さらには直接戦闘力として騎士団なども融通してやったにもかかわらず、なんだかんだと言い訳を並べ立てて、根回しは遅々として進まず、終いには資金が足りないなどと言い出す始末。


 意図的に工作の手を抜いて、帝国からさらにゆすりとってやろうという魂胆が見え見えだった。


「まったく、恩知らずな……所詮は傀儡に甘んじる小物、王の器でもなければ、大局も見えぬか……」


 帝国を虚仮にし続ければ、どのような結果を招くかなど――火を見るよりも明らかだったろうに。


「まあ、よい」


 搦め手が機能しないならば、実力行使するのみだ。そしてその準備は整っている。


 現在、ハミルトン公国では武道大会と軍事演習が開催されており、各地の領主軍が公都に集結している。公国側の国境はスカスカだ。


 帝国軍が『演習』のため大集結していることを受けて、多少の防衛戦力は国境に張り付けられているものの、親征軍の戦力からすれば濡れた紙のようなもの。容易く打ち破れる。


 そして――いざ侵攻が始まれば、オラニオの周りに送り込んだ帝国の人員もまた、行動を起こすだろう。



 オラニオは、近いうちにする。



 傀儡でも王は王、死ねば混乱が起きることは必至。カリスマのある前公王グラハムは公都におらず、世直しの旅と称して各地を回っていることも確認済みだ。そう簡単には公都に戻れず、戻ろうとしたところで帝国の息がかかった諜報員や騎士団により妨害は可能。混乱を収拾するのは難しいだろう。


 しかも、公王家の正統な後継者であった、孫のヨハネスも行方不明。公国はもう、詰んでいるといっても過言ではない――


「それにしても、ヨハネスの件はいったい何だったのか」


 リーケンはアーリエン・ビーミを味わいながら、小首を傾げた。



 前公王グラハムの孫、ヨハネスを留学に招いたところ、馬車が崖から滑落して行方不明になったのは――事実だ。


 だが、この件には、帝国は何ら関与していない。留学に招いたのは人質兼傀儡化のためであって、暗殺するためではなかったのだ。


 馬車は、本当に事故で崖から落ちてしまったのか、それとも――


「ふふっ」


 ソファの肘掛けで頬杖を突いて、不敵な笑みを浮かべるリーケン。


「まあ、仮に公国の仕業で、ヨハネスがどこかに隠れ潜んでいたところで――若造の手に負える事態ではないが」


 公都の政治機能が麻痺すれば、ノッシュ=ウゴー連合――アウリトス湖の都市国家群への救援要請も遅れるだろう。


 その間に、帝国は悠々と鉱山地帯を制圧し、経済的・軍事的圧力を強めていく。


 1年とせずに、公国は白旗を揚げるに違いない――



 その過程で、血は流れるだろうが。



「王道とは、小を殺し大を生かすことと見つけたり」



 それは決して、凡夫に成し遂げられるものではない。国家の舵取りを担えるのは、一部の選ばれし者――完璧にして至高の存在のみ。



「すなわち、余である」



 リーケンは歌うようにつぶやく。酔いしれるは、美酒か、己か……。



「陛下。準備が整いました」


 と、老宰相直属の部下である執事が、恭しく声をかけてきた。


「うむ、良きに計らえ」


 リーケンは鷹揚にうなずく。



 出立の号令が行き渡り、親征軍は巨大な生物のように蠢き、南に向けて動き出す。



 巨大な皇帝専用馬車もまた、舗装された街道を滑るように走り始めた。バネ仕掛けが振動を吸収するため、驚くほどに揺れは少ない。


 ソファにゆったりと腰掛け、盃を傾けながら、皇帝は美しい景色を堪能していた。豊かな森や黄金色の畑、青い運河に緑の山々など、いつも『浮遊宮殿』から眺めていた国土が、違った角度で後方へ流れ去っていき、新鮮だった。


 しかし、帝都クーロンが見えなくなり始めたところで、再び執事が顔を出す。


「陛下。間もなく荒野に差し掛かります。砂塵や土埃などが陛下の御目を汚すやもしれません……」

「うむ。では中に戻ろう」


 バルコニーから、馬車の中に引っ込む皇帝。


 そのとき、執事から意味深な目配せをされた女官たちが、心得ているとばかりに密かにうなずいた。


「――陛下。久しぶりに、一局いかがですか」


 女官のひとりが、リーケンを遊技盤に誘う。


「ほう、珍しいな。だが面白い、よかろう。手加減はいらぬぞ」

「はい、もちろん。全力でいかせて頂きます」


 皇帝がテーブルに付く間に、さり気なく、他の女官たちが窓のカーテンを閉める。


 外の景色が見えないように。


 しかし早くも遊技盤に集中していたリーケンは、それに気づくこともなく。



 ――間もなく馬車は、とある小さな村に差し掛かった。



 その小ささもさることながら、帝都クーロンからは考えられないほどに、貧しく、みすぼらしい村だった。住居はあばら家ばかり、住民たちは痩せこけ、衣服もツギハギだらけで今にも破れそうだ。


 その村に名前はない。ただ、番号が振ってあるだけ。住民の大半は、広大な畑を耕し、税を納めることで一生を終える農民だった。


 先触れが出されていたため、住民たちは総出で、街道沿いに平伏している。


「オラたち、何してるんだ?」

「皇帝さまがいらっしゃるんだよぅ」

「こーてーさまって何だ?」

「この国でいっちばんお偉い方さぁ」

「はぇ~」


 口々にそんなことを囁きながら待っていたが、馬車の地響きと馬の蹄の音が聞こえてきて、慌てて地面に額を擦り付ける。



 肝心の皇帝は、遊技盤に夢中で、カーテンも閉め切って、外の風景を認識すらしていないというのに――



「――皇帝さまぁ!」


 と、平伏していた農民のうち、ひとりの年寄りが突然馬車の前に飛び出した。


「おねげえだ、税を下げてくだされ! このままじゃ、オラたち冬を越せ――」


 しかし馬車は止まらない。


 そのまま平伏する年寄を馬たちが踏み潰していき、あっという間にズタボロにされた遺体に、車輪が乗り上げる。


 ガッタンッと揺れる馬車。


「むっ、何事だ?!」


 流石のバネ仕掛けも、この衝撃までは吸収しきれなかった。せっかくの遊技盤の駒がムチャクチャになってしまい、皇帝が不審そうに眉をひそめる。


「陛下……」


 心底申し訳無さそうな顔をした執事が再びやってきて、平伏した。


に、車輪が乗り上げてしまったようにございます。陛下の安寧を乱してしまいましたこと、伏してお詫び申し上げます……!」

「む……そうか」


 少しばかり不満げに唇を引き結ぶ皇帝だったが、やがて鷹揚にうなずいた。


「よい。帝都を離れ、下界を旅するとあれば、そのようなこともあろう。許す。御者にもそのように伝えるがよい」

「はっ! 寛大なお心遣い、ありがとうございます……!!」


 立ち上がり、慇懃に一礼して下がっていく執事。



 多少揺れようとも、馬車は止まらず。



 皇帝は何が起きたか知る由もなく。



 車輪についた血の染みは、次に停車したときにでも。



 皇帝に気づかれる前に、そっと、拭い去られるに違いなかった。

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