第3話:めだまやき

『クソまずい。』


低血圧で正直朝食なんかよりも睡眠を貪りたいんだが、

それでも、日々気遣いが出来ないなどといわれるワタクシめの

常人に比べると正にクソほどしかないであろう気遣いをフル導入して

もてなしのために早起きした者へのセリフか?


『目玉焼きひとつもまともにできないとか。

本当に毎日朝食とかどうしてるわけ?』


寝てんだわ。最近はリモートワークとかってーいう

働き方改革?コロナ対策?まぁそんなんでほぼ出勤しなくていいから

朝食という概念がそもそもないんだわ。


『。。。。。。まさか、インスタントとかそんなんばっかなの?』


グッ、

いや。。。そもそも朝食を摂取する時間帯を最近目にしていないわけで。


『無言ってことは図星か。

インスタントばっかり食べているから痩せないんだよ。』


痩せないとか。。。本当、それな。

1日のトータル摂取カロリーは減っているはずなのに、

体重は全く減らん。寧ろ増えきてる気さえするんだよな。


『こんな生活続けてたらさ。自分、太っちゃいそうだよ。

いつになったら出勤できるんだろうなぁ。』


そうだよな。なかなか外出できないんだから。


でもさぁ、前よりもたくさん一緒にいられるから

このままでもいいかなぁと思ってしまったりするんだけど。


『自分は、何のためにここにいるのかわからなくなる。』




そうだよね。

お前はさ、外に出るのが生きがいみたいなとこあるもんな。

はやく外で思いっきり走りたいよなぁ。




『緑の匂いが恋しいね。』



フワッと、

重量の感覚がなくなったと思ったら

持ち上げられて左右に揺さぶられて驚いた。
























.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る