第4話:目玉焼き
『クソまずい。』
卵独特の風味が鼻から抜けていく。
ぐうぅぅ。。。
何で、火を通し過ぎるだけでこうも臭いが増すものか?!
『目玉焼きひとつもまともにできないとか。
本当に毎日朝食とかどうしてるわけ?』
あぁ、ごめんごめん。
そんな瞳を向けないでよ。
『。。。。。。まさか、インスタントとかそんなんばっかなの?』
目の前に手を伸ばす。
『無言ってことは図星か。
インスタントばっかり食べているから痩せないんだよ。』
あぁ、やっぱりこの感触。
すごく落ち着く。やっぱり、この感触は手放せない。
『こんな生活続けてたらさ。自分、太っちゃいそうだよ。
いつになったら出勤できるんだろうなぁ。』
足元にかしづく騎士の首を撫でてやる。
『自分は、何のためにここにいるのかわからなくなる。』
そこにいてくれるだけで十分なのに。
今は休む時だと、のんびりすればいいんだ。
「緑の匂いが恋しいね。」
お気に入りのオモチャを目の前で振ってみせるが、
乗り気ではないらしい。
『クゥン。。。』
左手の甲に湿った感触がした。
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます