エピローグ

そして次の日、僕たちが教室に入ると……。


「ヒューヒュー! 朝から熱いねー!」


何故か分からないが、朝から冷やかされた。


「うるさいなぁ、何も言わないでよ。私たち、真面目に付き合っているんだから」

「え〜? エイプリルフールのやつじゃなかった〜?」

「それは口実を作るため……!」


美桜は少し申し訳なさそうな表情を、僕に向けてから言い返す。

そして。


「ねえ、佐久間くん」


美桜は突然僕を見ながら名前を呼んできた。すると次の瞬間──。


「……⁉」


彼女の唇が僕の頬に付いた。

彼女の突然の行動にとても驚いた。そして、反射的に彼女を自分から引き剥がす。


「なんで急にするの。しかも教室で」

「えへへ。これで本気なの伝わるかなって」

「もう伝わってるよ」


僕はそう言って、彼女にキスをし返した。


 案外、エイプリルフールはいい日なのかもしれない。

 エイプリルフールに感謝しながら、彼女の頭を撫でる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君と僕の4月1日。 赤坂 葵 @akasaka_aoi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ