3-6 冷気漂う大迷宮

ゴッドフリード:じゃあ後は……ボスか?


GM:だね。エリア6へ向かおうか。何か準備とか大丈夫?


ソルベ:特にないかな?


ミヒャエル:まあ別に無いね。MPにもそれなりに余裕がある。魔晶石もあるからね。


ゴッドフリード:このレベル帯だと、流石に戦闘前からかけられる支援はねぇな……。


キッカ:「こっちの道は意外と探索されてないんでしょうか。私たちが倒せそうな敵となると、あれだけ冒険者で賑わっているならもう倒されてても不思議ではないと思うのですが」


ゴッドフリード:「入り口は此処だけってワケじゃないからなぁ……」


ソルベ:「まあ元より複雑な坑道だったからねー」


GM/セレン : 「まあ、遺跡や迷宮の探索権は発見者が持つのが冒険者の不文律だからね」


キッカ:「入り口を見つけた人が中を探索する、と」


GM/セレン : 「まあ、小さいギルド支部ならギルド内で情報を共有するくらいは日常的なんだけど……特に、私達のギルドはパーティーを組んでる人が少ないから」


ソルベ:「あ、やっぱりそうだったんだ。珍しいね」


キッカ:「何か事情があったりするんですか?」


GM/セレン:「私にはギルドの細かいことは分からないけど……人材が少ないと、固定のパーティーに所属するよりフリーで動いたほうが便利だったりするからね」


ゴッドフリード:「俺らみたいにいい感じにパーティを組めるとは限らないからなぁ」


キッカ:「単独行動派、というわけですか」


ゴッドフリード:「お互いに組みやすい性格をしてるとも限らねぇ……というか、アイツ等見てたら分かるわなぁ……」フェローたちを思い返しながら。


ソルベ:「確かにそうかも?」


ロラン:「ま、事情もあるだろうしね」


キッカ:「それぞれ何かありそうですしね……」


GM/セレン:「以前はパーティーを組んでた、って人もいたと思う。……このギルド支部に来る前の話だと思うけど」


ミヒャエル:「難儀なものだな。吾輩は誰とでも仲良く出来る自信があるがね。何といっても、世界中に友達が100人いるからね吾輩は。フジ・マウンテンの上で吾輩を除いて一緒におにぎりを食べたこともあるよ。ワッハッハ!」


キッカ:「ミヒャエルさんは食べなかったんですか……」


ミヒャエル:「この足だからね」短い足を上げて。


ロラン:「あはは、仲の話なら僕だって負けてないよ」


キッカ:「そうなんですか?」若干の疑いの目。


ロラン:「もちろん、いろんな人のところに転がり込んでたからね!」


キッカ:「何してたんですか……? 仕事とか……」


ロラン:「いや、いろんな人がお金くれたから……うん、まぁそれは置いておこうか」


ソルベ:「ふふふ、なかよしの秘訣は飲みニケーションだよ」


キッカ:「またお酒ですか」


ソルベ:「素面はつらいよって師匠も言ってた」


キッカ:「はぁ……」


 ボケが三人。ツッコミ担当、計一人。


ゴッドフリード:「あー、はいはい。じゃあ今度ハイキングでも行くか。ひとまずは目の前の依頼から片付けるぞー」


ミヒャエル : 「うむ、では行くとしようか」


GM:じゃあ戦闘へGO。



 【エリア6・

              黄

    凍         泉

  デ 亜         の

  ィ 竜         風

  ノ

  ス             】



GM:冷気漂う通路を進むと、広い空間に出る。壁は白く霜が張り、天井からぽたりぽたりと水滴が垂れてくる。部屋の中央には、巨大な亜竜の姿が見えるだろう。


ゴッドフリード:「おぉ、寒い寒い……アレか」


キッカ:「……面倒ですね。あれを背負って奥に進むのも危険ですし、ここでやるしかないですか」


ゴッドフリード:「面倒だが、まぁ依頼にもなってるしな……やってやりますか!!」


ソルベ:「だね、さ~て、エンジン吹かしてあったまろー!」


ロラン:「僕は寒いところは好きだけどね。ま、やろうか」


ミヒャエル:「吾輩にはこの毛皮があるからね、後で存分にモフるといい」


GM:――亜竜はキミたちの姿を視認すると、冷気を纏った首をもたげる。もはや、戦闘は避けられなさそうだ。


ミヒャエル:魔物知識判定かね?


GM:うん、弱点抜ける面々だけ。一気に先制まで振っちゃおう。


 いつも通り高い出目を出したロランが弱点を、スカウト組もしっかりと先制を確保する。――パーティーが先手を取る形で、ディノスとの戦闘が始まった。

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