四月の愚者
春風月葉
四月の愚者
ずっと逃げてきた。今日だって、失敗したら嘘だと言えば誤魔化せるから。そんな理由で今日という日に僕は彼女への愛を告白した。
それが失敗だって、気付いたときには遅すぎたんだ。悲しそうな彼女の顔が忘れられない。僕は自分の告白からも、彼女の涙からも逃げ出した。それなのに、こんな最低な結果からだけはどう足掻いても逃げられない。僕にはもう涙を流す資格さえなかった。
こんなはずじゃなかった。そう何度も口にする。そうやってまた僕は逃げるんだ。
彼女を悲しませたあとでさえ、愚かな僕はこの結末も悪い嘘だと誰かに笑いかけて欲しかった。
四月の愚者 春風月葉 @HarukazeTsukiha
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