第8話 LV8 勇者様御一行

 ただいま『モンペロ』ではお昼のランチタイム。調理場では激しい戦闘が繰り広げられています。


「突撃イノシシのステーキ。一つ入りまーす」


「りょーかーい」


「ダークコンドルのから揚げ追加でーす」


「はいよーー」


 リーズナブルでおいしいと評判の『モンペロ』は日増しに忙しくなっており「人が足らん!」が、オーナーであるジンの口癖である。


 そんな最中、周囲がどよめきそして歓声を上げる。

「勇者様御一行だ」


 鉄壁の戦士、ダン

 古参の召喚士、ラオろう

 拳闘士の獣人、ライガ

 聖女、ファリス

 精霊幼女、イルイル

 そして銀髪の勇者 ヴィオラだ。


 あと、一人は現在休職中らいい。


「やいやいやい、ここのシェフを出せ! ウチの勇者をたぶらかしたバカ男はどこだー」

 店に入るなり叫びだすイルイルをラオ老がなだめる。


 *フミヤは戸惑っている。


 厨房で身を隠すフミヤに、ホールスタッフの通称『天然娘のモコ』は指を差して叫ぶ。


「犯人はあいつだ」


「バカ、モコ!」


「何を隠れている。御指名だ、偉大な勇者様御一行に挨拶してこい」

 オーナーのジンはにたつきながら、フミヤをホールへ突き出した。


「オーナーの薄情者ーー」


 容姿端麗かつ洗練された戦闘に魅入られた者達によるファンクラブまで存在するヴィオラ。そのため、フミヤはヴィオラとの関係を一部の者を除いて、内緒にしていたのである。


 フミヤは、数々の殺意を浴びながらヴィオラ達の座るテーブルへ。


「初めまして、ルイス・フミヤです。えー本日はお越し頂き誠に……」


 *イルイルはフミヤのすねを蹴った。

 *フミヤは18のダメージを受けた。


「ぎえー!」


 *イルイルは精霊魔法を詠唱している。


「店吹き飛ばすつもりかーー?」

「やめて、イルイル」


「邪ー魔すーるーなー。」

 フミヤに向け魔法を放とうとするイルイルをヴィオラとラオ老が必死に止める。


 *フミヤは少しイラっとしている。


「フ……ごめんね。君のお姉さん的存在の人を取ってしまって」

 フミヤは大人の余裕を見せイルイルの頭をポンポンと撫でるように触る。



「触るな! この●●●●がーー!」

 

 *イルイルはまたも脛を蹴った。

 

「ぎえー。」


 *フミヤは21のダメージを受けた。


「このクソガキ」


*ダンは食事を貪りむさぼり食っている。

*ライガは毛づくろいをしている。

*ファリスは感謝のお祈りをしている。


 幼女と大人げない男の戦闘は続く……。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

●●●● 想像にお任せします。

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