第5話 LV5 プレゼント

 あと少しで結婚から1ヶ月が経つ。

 

 フミヤは悩んでいた。


(結婚一か月記念に何をプレゼントしよう)


「んーー、ん……」


 ピーン!


 ヴィオラと一緒に暮らしてから、折れたフォークとスプーン数108本。

(煩悩かよ)


「ヴィオラの力に負けないフォークとスプーンを作ってプレゼントしよう」

 

 ガジに鍛冶職を習ってからというもの少し錬成にハマるフミヤは、家の外に錬成台を設置し鍛冶道具一式揃えたのだ。


「この素材を使おう。じゃーん」

 それは、ヴィオラが倒した魔人から手に入れた魔人の角である。

 

 魔人の強さは角の多さと強度で決まる。今回は2本角の魔人であった。

 魔人角はかなりの高級品で街で売れば、数百万イエンはくだらないないだろう。


「少し硬度があって難しいけど、細い道具を作るくらいなら今の鍛冶スキルで問題ないだろう」

 さっそくフミヤは製作にかかる。


 トンカントンカン


「やっぱり難しいな」


 トンカントンカン、トンカントンカン


 トントントンカン


 さすがはレアアイテム……製鉄が難しい。フミヤが一日で完成させるつもりだったアイテム製作は思いの外、困難を極めた。

そのため、フミヤは毎日の仕事終わりと休日を利用し、フォークとスプーン作りに励んだ。


 そしてついに……「完成だ」

 

 それができたのは記念日の一日前だった。


 *フミヤは魔人のフォークを手に入れた。

 *フミヤは魔人のスプーンを手に入れた。

 *フミヤは魔細工LV1を習得した。


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イエン この世界の通貨名 1円=1イエン

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