第23話 そろそろナイトウルフの毛皮のお手入れしたい、ブラッシングでサラフワに!
クレアと一緒に世界樹の奥へと歩みを進める。
食事も一緒にとるようになった。しっかりと食事時に合流するようになったからだ。そうなると、優しいオレはご飯を食べさせたいよね!
パンを食べているクレア。
「食事…ごはんはどうですか?」
テリがご飯の感想を求める。
「ごはん?」
「食べものを食べることです」
「『ごはん』」
パンを持ち上げてクレアが言う。最近はオレ達の会話の意味を知ろうとたまに質問して来るので、単語と意味を教えるようにしている。
と、言ってもクレアは結構言葉は知っている。会話できているし、そんなに困ってないと思ったんだけど。たまに基本的な言葉が分かっていないのは確かだ。
「これ、口がギュッてする。するけど…面白い」
んー…、これはパンに水分持ってかれてるかな(笑)
試しにお水を渡してみると、ごくごく飲んだ。
「『パサパサ』してて、口の中のお水が減るんだよ」
意味が通じるかな、てか擬音だなぁ。
「ぬ…!!」
「食べるの面白い?」
クレアの隣に座ってエルフィが覗き込む。
「たべるの?…面白い、うん」
「食べものって、面白い…おもしろい?」
クレアがオレを見上げて言った。
「ふふふっ!かわいい。あのね、食べると嬉しいなら…『おいしい』かな?」
クレアを見ながらエルフィが言う。
「食べるの面白いって、『おいしい』って言うんだよ?」
オレも更にクレアに教える。同じこと。
「おい!しい!」
「おおおーいしーい!」
オレも言う!盛り上げれ
「おおー!いしいー!」
ほの、ボーのー!!おいしいは覚えてくれたみたい。
「これ何??」
「ん?『パン』だよ」
食べ物の名前も教えてあげなきゃね(笑)
初めてご飯を食べさせた時にクレアは「食べるの初めて」と言った。
「「は?」」
「…初めてなの…!?食べて良かったの!?」
驚いてテリと顔を見合わせて、様子を見てたけど、大丈夫だった。
「ね、クレア、カゲアラが食べて…みたいよ!」
クレアがキラキラした目で言う
「カゲアラ」
「みんながおいしい、って食べてたの」
「うーん、何だろう。」
「僕にはわかりましたよ、クレア!」
「はい、テリさんどうぞー」
エルフィが答えを促す。
「唐揚げです」
「うん!カゲアラ!!」
「ちょっと残念で賞」
クレアは唐揚げを食べてみたかったらしい。
お昼に唐揚げの仕込みをすることにした。コカトリス、ジューシーだったね。オレの傍でクレアが肉を凝視していた。あ、…オークさんもいるなぁ。肉のブロックを思い出す、塩コショウで食べたいん。
「うーん、食べたい」
「食べたいって何をです?」
テリが遠くで薪を拾いながら言う。
「オークさん」
「オークですか…。そのままお塩で食べるのいいですよね〜。」
テリは他のパーティに入って旅をよくしている。
オレは料理も趣味みたいになってるけど、他のパーティは料理をしないことが多い。保存食を食べて済ますことが殆どで、狩った魔物を捌いて焼いて食べるのがたまーにあるようだけど。オークも焼いて食べたりとかあったようです。
最近のマジックバッグはオークのブロック肉が結構ある。
「食べたくなったわ」
「オークもお願いします」
「塩コショウで食べよう、唐揚げの後に」
「食べちゃおう」
クレアも興味があるようだ。
ついでにオークの肉をやや厚めに切っておこう。後は焼くだけでいいように。ふんふんふーん♪皿に切った肉を乗せていく〜。
もうそろそろ休憩終わりますよーとテリが言う。あ、あとちょっと待って!
オーク豚バラ肉をマジックバッグに慌ててしまう。
クレアはオレ達から少し離れて立っていた。
遠くを見て無言で固まっている?ん?何かいる?
視線の先を見るが何もいない。気配察知にも何もない。…。
暫くするとこちらに向き直り歩いてきた、いつものクレアになった。
「カゲアラ!楽しみ!」
「カ・ラ・ア・ゲな」
「からあ・げ」
「そう、よく言えたで賞!」
「わーーい!カラアゲ!!」
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