第20話 出会いは〜?え?みてたの?遠くから?


夜にオークに出くわして数日。ペースは早めているけど、暗くなったら進むのはやめている。けどね…オークとかに出くわすのが増えた。

最近では、エルフィが倒すコツを掴めるようになったくらいオークと戦闘したよ。


それと、テリの許嫁さんが、クーさんと言うことが分かった(笑)


オークの動きを予想できるようになって、エルフィは躱すのが上手くなって、オレは撃ち漏らしを倒しているような感じ。

テリもウィンドカッターの威力が上がっているし…。レベル上がったみたいだ。


3~5匹のオークの集団に出会うようにもなってきたよ。

集落とか作ってないかね?集落作らないように、間引いていくためにもスルーはあんまりしてない…数は暴力だからね。街に行きませんように。


更に奥に入ったと思う、オークの集団も8匹とか出てきた。

おお、これはオークウォーリアーが確実にいると予想している。「そう思います」ってテリも言ってた。

強めの敵が出るようになったけど同時に、テリもだがエルフィがレベルアップしている…。数匹を相手にできるようになってきた。エルフィのポニーテールが舞っている。キレイ。テリの短髪がウィンドカッターでボッサボサになっている。うん。


「カインド!また、手抜いてるでしょ!?」ぷんすかしながら、ポニテが、エルフィが言う。

「いいえ、背中を見せているだけです」オレは背後を見せてオークさんを油断させ、攻撃を躱しながら言う。

そう言っている間に10いた、オークを倒しにかかる。オークさんは

「ぶーもーおおお!!」と雄叫びをあげていたが、一匹ずつ減っていく。


「それが、手を抜いてるっていうことですよ、ホントにバカですよね」

テリがやれやれと話に入ってくる。テリはというと、最近覚えたウィンドシールドを展開しながら防戦していた。エルフィが一匹倒した、そろそろ戦闘も最後の一匹。

振り返りながら、素早くオークの手を切り飛ばす。


「グオっ!」

「待てっ!!」

茂みに逃げ出した最後の一匹に手をかける、

その時、オークの後ろに子供が見えた気がした。



「「え?」」

茂みにいた子供と目が合った。



オレは慌てて、斬撃を調整する。無事に最後のオークも倒せたようだ。


倒れ込んだオークの横に、髪の毛が赤い女の子が蹲っていた。

茫然と、オレと見つめ合う。


「「………」」


「カインド、どうしました!?」テリの声が聞こえ幼女がビクッとする。

「…カインド?どうしたの??」

エルフィとテリがこちらにやってくる。


「…女の子?」


エルフィが言うように女の子かな?

「痛いとこはないか??」目線を合わせ確認した。

顔をよく見ると赤い瞳が燃えるようにキレイな幼女だった。


「…痛いとこない、びっくりした」立ち上がり幼女が答える。

来ているオレンジ色のチュニックもそう汚れていない。


「そうか、そうか」

「こっちもびっくりしたわ、こんな森の奥に小さい子がいるなんて…」

「クリーン」

テリが皆にクリ-ンの魔法をかける。

薄く光が輝き、埃っぽかった身体がスッキリする。


幼女はオレたち三人を不思議な顔をしながら見つめていた。


…んんん??敵意はないようだが。


「…この子この森に住んでるのかな?」エルフィは大丈夫と判断したようだ。

「危ないとこは避けて家に帰るんだぞ?」

「…家まで送っていきましょうか?」


ちょっと畳みかけ過ぎたかな?

「だ、大丈夫…」

少し俯いて答えた。両手で服をギュッと握る仕草がちょっと和む。



オレたちはオークの魔石回収もこなし、その間幼女はオレらの行動を見ていた。

んん?解体…グロくなかったかね…?平気なのかな。


「じゃあね~」オレは女の子にバイバイした。

「うん」

女の子と別れ?オレたちは森の奥への道を進む。


…と、こっそりと幼女がついて来ている気配を感じた。

「ねぇ、何してると思う?」

「オレに惚れたか?」

「ばかたれ」

「バカっていう珍しい生き物を観察しているんですよ。」


少しペースを早めると、こっそりついて来るのをやめたようだ。

堂々と後ろをついて来た。距離はそんなに縮まっていないが。


「バカがそんなに珍しいんですかね?」

テリが首を傾げている。

「オレは珍しくない生き物のはず…」


「ふっふふっ!」

話を聞いていたようで女の子が笑っていた。耳がいいね。


3人で顔を見合わせる、

「休憩!」

することにした。


オレは女の子を手招きして呼び寄せる。

女の子は直ぐに応じ、てててっと駆けてきた。

にこにこしている。

テリは言葉を選んでいるようだが、珍しい生き物のオレは直球で聞いてみることにした。


「うーん、何故ついて来るのかな?」

「?…面白いから」

若干、恥じらっている。何故?


「カインドが珍しいってよ?」

「オレ限定!?」


「お名前は?」

「?名前…思いつかなかった」

女の子は真剣な顔をしているけど…、思い付かないって何かな?


「うーん、瞳が赤くてキレイだからクレアって感じ?」

名前を聞き出しやすいようにとエルフィが冗談で言う。


「名前!クレア!!」


女の子は嬉しそうに繰り返した。


「んん??」

「え」

「あらら」


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