第17話 スキルアップは突然に(知らんかっただけ)
たったったた…
小さな存在が走っている。
まだ見つからない…どこにいるんだろう…こっちから気配はする…。
まだ追いつけない?
一旦、立ち止まってごろんと横になって空を見上げる。休憩。…早く会いたいなー、変な人たち。
今日はずーっと歩いている。キラーベアーも見かけた。遠巻きに姿をみて緊張する。倒すの面倒そう…。距離を取り、キラーベアーから離れていく。
充分に距離をとった所でオレ達は立ち止まった。
「キラーベアーが出ましたね。」
「うん」
「戦うと時間とりそうね」
「これからはあんなのも出ますよ。」
「少し休憩しようか、10分ぐらい」
「そうね」
「そうしましょう、水分取りましょう」
各自座り込んで水を飲んだりする。
言っておいた方がいいかな…。
「あのさ、オレ少し気配察知できる…かも」
「え?」少しエルフィがムッとする。
「あらヤダ~」テリが突然おねぇになる。
「…」
「ま、出来るようになったのは使いましょう。鍛えましょう。」
「いいわ、前はお願いね。」息を吐いてエルフィが答えた。
「…!…うん、頑張って使ってみる」
ちょっぴりエルフィの機嫌を損ねたけど、嘘はつきたくないし。エルフィも納得したようだ。
「で、歩いてるときさ、キラーベアーの気配もちょっとわかった」
「まだ精度が甘そうですね」
「スキルに気配察知はついたの?」
自分のステータスウィンドウを確認する。スキルスキル…
スキル:光魔法・土魔法・解体・長剣使い・短剣使い・身体強化・回復魔法(極小)・気配察知(小)・結界(極小)・浄化(小)・解呪(極小)
あった、ついてる、(小)だけど。
…ん??解呪?結界?浄化??はぁあ?なんだこれ。
「カインドどうしたの?」
「何かスキルが増えてる。」
「気配察知ありましたか?」
「うん、小だけど、ついてた。ねぇ、テリ、浄化とか解呪とかある」
一瞬、テリが固まる。
「それはまた…レアなスキルを…しかし…、納得ですよ。あなたと森に入って魔物に出くわす率が少ない。」
「あたしも、もっと遭遇すると思ってた。」
「何らかのスキルがあるんではないかとエルフィと話していたんですよ」
「でも…使ってみたことないんだけど。」
「森に入ったことがきっかけ、とかもあるんじゃない?」
「そうなのかな…。テリ、回復も極小だけど獲得してた」
「あらヤダ」
「回復系のスキルに引きずられて出てきたのかもね?」
「回復と浄化は…系統が若干違うんですけどね。まぁ…カインドですし…」
「まぁ、カインドだもんね…」
「いや、そういう風に納得しないで。」
「いいでしょう。今後役に立ちます、たまに意識して使ってみてください。魔素が濃いところや瘴気溜まりがあったら浄化してみてください。」
「あ…」
「どうしたのエルフィ?」
「そういう意味では気配察知を獲得したのがきっかけかも…魔素や瘴気を感じやすくなったから、浄化がくっついてきたとか」
「んー…そういうこともありますか」
「でも、スキルの獲得は考えても分からないですね~」
「あ、わたし解体スキル増えてたよ」
「わー!おめでとう!」
「うん、ありがとう。」
休憩が少し長くなったが、再度歩き始めた。今度は気配察知も存分に意識している。
気配…気配…。ここの周囲にはいなさそう。
「カインドー」
「なにー?エルフィ―」
「川に魔力が溶けてるから、それを察知できるようになれば、スキルアップするかもー」
「あ、それは良い考えですね」
「川の方向は分かるから、なんとなく意識してみるー」
エルフィと会話を交わし、川の方角を少し意識してみた。
…うーーーん、全然わからん!まだまだだね。
日が暮れても少し歩みを進める。遠くが見渡せなくなった頃、そろそろ野営場所を探そうかとした時、
「テリ!カインド!なんか来る!」
「!!」
「うん、わかった!なんか来る」
「数は2」
「…気付かれてるようですね…応戦しましょう」
暗闇からドスドスと足音が近づいてくる。薄っすらと大きい影が見える。
眼を凝らすと姿が分かった。
オークだ。(二足歩行の筋肉質の豚さん)
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