第13話 深夜の…ひたすら仕込み(み…見張りもしてる…してる…)
2人は直ぐに寝入ったようだった。規則的な寝息が聞こえる。
オレは火の番をしながら、マジックバッグからぬいぐるみを取り出した。オレの荷物の上にちょこんと座らせる。見張りのお供。
足を投げ出して火のそばに座る。上を見上げると、空がキレイだろうけど…木々がちょっと茂ってて見えにくい。
今日は疲れたなー。コカトリスに見つかったのは痛かったけど…久しぶりに戦ったな!って感じ。テリの魔法やエルフィに頼りすぎていたのは、反省。オレもちゃんと戦わないと。ケガとかしても回復できるけど、痛いのはダメだよね。気配察知、オレもスキル取れるかなー?
周りを見渡し、気配を研ぎ澄ます。少し先の気配は分かる…感じ、だけど後に範囲を拡げるにはちょっと難しい。しばらく試してみたけど…わっからん!
まぁ、何事も練習だべ。強いのも、弱いのも感じ取れるようになりたいな。
しばらく火を見つつぼんやりしていたけど、思い出した。
そうだ…野菜とか切って下処理してしまおう。
マジックバッグから机を取り出し、野菜も取り出した。ジャガイモの皮をむいて一口大に切ったり…細切りにしたり…。他の野菜も調理しやすいように様々な形に切っていく。急いでないのでまったりとナイフを動かす。
三時間ほど黙々と野菜を切り刻んで、バッグに収納した。
「…ふう…こんなもんか…」
次はお肉だ。一口大や、薄切り…ステーキ用…は無理か大きさが足りない。そういや、コカトリスがいたな…でもステーキって言うよりはソテーだよね。しまった!ステーキ食べたくなってきたーー!ステーキできる肉が無いい~。いや、コカトリスもご馳走だ。そうだ!唐揚げしたいなぁ…油薄く引いてやるか…?明日解体してから切り分けよう。
お肉も様々に加工していく。深皿ちょっと足らないかも、平皿でもいいか。
そうこうしているうちにテリが起きて来た。交代の時間は特に決まってないので、ある程度の時間が経ったら相手を起こしたり、相手が起きたタイミングで交代する。
「お肉だらけですね…」
「うん、これから奥に入ればさ、調理の時間は短いほうがいいかと思って」
「それはいいですね、ありがたいです」
テリが上衣を装備しながら言う。
「変わりはなかった…みたいですね」
「うん。…あ!?ちゃんと見張りはしてたから…気配察知の練習もしてたんだよ!」
「それは結構です」
「…ちょっと、切るのに集中してた時がありました」
「反省してるみたいですね、素直でよろしい。」
「気配察知まではまだいってないけど、殺気はわかるから…」
「んーーー、是非とも気配察知を身に着けてほしいと思います」
「あのさ、お昼は作り置きしてるのも有だよね」
切ったお肉と机をバッグに収納していった。
「そうですね…探索は早く進みそうですが…、休まず強行はあまりしたくないと思ってますよ…やはり早めに着きたいですか?」
「いや…なんとなく…楽かなって思っただけだから」
「そうですか、でも…食事、疲れるんでしたら言ってください」
「まぁ、趣味の範囲で作らせてちょ」
「ははは、休むのも忘れないでください、見張り、交代です。」
「じゃ、おやすみ」
座っていた場所から立ち上がるとテリと交代した。荷物から本を取り出してテリが読み始める。何度か読んだ本らしい。けど、そのほうが周りにも意識がいっていいそうだ。
オレは火をつついたり、剣の手入れしたり、そんな所。薪が多いときは薪をバッグにストックしたりもする。マジックバッグは多分(中)だろう。大きい魔物が多分10ぐらいは入る。母ちゃんは旅を快適にするタイプだったみたい。
見張りのお供を掴むと毛布を取り出し、装備を外す。ん~!!身体が軽くなった。軽く伸びをして毛皮に寝転ぶ。毛布を着ると、エルフィの方を眺めるがバリケードが絶妙な位置で見えない…仰向けになり側のぬいぐるみを眺め数分で眠りに落ちた。
…おやすみな…さい……。
小さな存在がカインドたちのパーティを遠くから見ていた。
「……」
小さな足で少し近づこうとしたが、テリが動いたため、慌てて立ち止まる。
結局近づくのはやめて、適当な木の洞を見つけてそこに丸くなる。小さな存在もそのまま眠りについた。
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