第12話 オレたちのナイトルーティーン(←使ってみたかった)


トマト煮込みはみんなで完食。食事の後片付けはエルフィも手伝ってくれる。

お茶用に小鍋はまだだしてある。カップもね。


「ふー!お腹いっぱい!」

「美味しかったです」

「うん!」


お茶を用意してそれぞれカップを持ち座る。今日の反省。


「今日は大物に遭遇しましたね。今後はああいった魔物も出てくると思います。エルフィは両手で短剣を使うというのはいいアイデアでした」

「うーん、皮膚が硬かったから自然とそうなった感じよね」

「あれなら硬めの敵も切れるでしょう、ただし、接近が必要です。攻撃を受けないという前提で使ったほうがいいでしょうね、無理なら引きましょう」

「わかったわ」

「オレは?」

「エルフィが止めを刺すのを待つのは良いですが、コカトリスは脚の攻撃も強力ですから、脚への攻撃を加えたほうがいいですね。エルフィが蹴りの攻撃を受けてもおかしくない状況だったかと」

「うん…確かに」

「エルフィの短刀が刺さらなかった場合も想定しておいてください」

「わかった」

「わたしも…攻守交替も判断しないとね…レベルアップで頭がいっぱいだったかも」

「僕は…早い段階でウィンドブレードを使うべきでした、早めに敵の動きを封じたほうが良かったと思ってます」

「「うん。」」


「次はキラースパイダ―の親が出て来た場合の対処よね…うぅーん…」

「先ずはオレは身体強化をかけてさー、テリは子蜘蛛にウィンドストーム撃って貰って」

「空に蜘蛛が散らばるの!?ううぅ……いやかも~」

「しかし…ウィンドストームでしょうねぇ、撃つなら。撃ち漏らしをエルフィが片付ける、カインドは硬い親蜘蛛に対処してもらいましょう」

「確かにそれが一番かぁー。」嫌な顔をしながらエルフィが答える

「親蜘蛛の動きが鈍るように頑張って先制してください」

「むっず」オレは空を見上げた


「結界がほしい所ですね…レベルアップで覚えたいとこです」

「まだレベリング中なんだもんね~私たち」

「そういや、前に中腹に入った時にいた魔物は?」

「オークですよ、あとブラッディベアーも」

「ブラッディベアーは単独行動が多いからいいけど、オークが何匹出るかしら?」

「まぁ、オークはお肉だからね!がんばろう!」


「さて、今日の反省はこれで終わりで良さそうですね」

「そうね、あとはしっかり休みましょう?」


「見張りどうする?」

「カインド、僕、エルフィの順番でどうでしょう?」

「それでいいわ」


エルフィは防具を外して身軽になっていった。足のサポーターも外していく。うん、健康的!!

「へぶっ!!」顔面にブーツが飛んできた。

「じろじろ見ない!」

「へーい」

「テリ、後で乾かして!!」

「いいですよ」


そう言うとエルフィは荷物のサンダルに履き替え、川へとザブザブ入っていった。

「危ないよー!エルフィ!!」

「大丈夫ですよ、結界石を一つ握っていきましたから」

「あ、なるほど」


しばらくするとずぶ濡れエルフィが川から帰ってきた、笑顔が眩しい

「冷たかったーー!テリ、おねがい」

テリは魔法で温風を出すと、エルフィを速乾した。ボフン!という音と共にエルフィから水蒸気がのぼり、身体も服も乾いている。

ほっこりした笑顔でエルフィが満足そうにしていた。


「え!オレもやりたい!」

「いいですけど、早くしてください、僕は早めに休ませて貰いますから」

「まってまって」


オレは水に濡らしたくない装備を外す。シャツとサポーターの身軽な服装になってエルフィに頼んだ。

「結界石とサンダル貸して」

「はい、サンダル入らないわよ?…まぁ、いいわ」


オレは小さめのサンダルを履き、川へザブザブと入った。水が気持ちいい。半身浸かるとずぶ濡れになるまで川で水を被る。楽しい。ガシガシと顔を洗うとそのままテリの元へ駆けていった。

「テリ!やってやって!」

「ちょ、僕も濡れる!犬ですか!落ち着きなさい」

テリはそういうとオレにも速乾の魔法をかけた。ポフン!と服と体が乾いてホカホカする。程よく冷えた体が温まって服もサラサラ。これは楽しいし、気持ちいい!!


「はふーー。これいいねぇ!」サンダルをエルフィに返す。

「ふふふっ!いいでしょ?」

「僕は休みますよー」

オレは最低限の装備を身に着けた。見張りをするためだ。結界石も元に戻す。


テリは自分にクリーンをかけて上衣と靴を脱ぎ、ナイトウルフの毛皮の上に横になって毛布を着た。ナイトウルフの毛皮は大きいので真ん中には荷物をバリケードにして反対側にエルフィが横になる。

「はぁ…毛皮、寝心地いいですね…僕も買おうかな…」テリはもう眠りそうだ。


エルフィは、美容油をほんの少し取って顔に塗っていた。寝る前のケアなんだろうね。

「毛皮、ふかふか気持ちいいわ~。おやすみカインド」エルフィも毛布を被る。

「おやすみ~」



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