第9話 おととい来やがれってすごい言葉だよね、どうやって来るのかな?


ここ二日ほどは奥に行きつつ、ジャイアントフロッグが出て来た方向に進んでいるよ。

水場見つかるかな?まだ水の流れる音は聞こえない。


エルフィが立ち止まった。

「……何かいるみたい」

オレとテリにエルフィが言う。エルフィは気配察知があるんだよ、スゴイよね!

「行ってみましょう」

エルフィを先行し、気配の方向へ進む。そこに5匹のゴブリンがいた。


「…他に気配はありますか?」

「いや…ゴブリンだけみたい」

「装備も、こん棒だけか…」

木々に紛れて観察する。


「倒しましょう、幸い気付かれてない。」

「わかった…エルフィ…いくよ」

「いいわよ」


エルフィが短刀を2本取り出し両手に構える。オレは走り出し、背中からロングソードを構えゴブリンの前に出た。

そのまま1匹目のゴブリンの首を撥ねる。


「げぎゃ!」

「ごぎゃぎゃ!」

ゴブリンが騒ぎだし直ぐにこん棒を構えて殴りかかる。首を撥ねた剣を、円を描くように右側のゴブリンに当て胴を切り飛ばす。

その後ろを眺めるとエルフィが駆け込んでくる。

ゴブリンの後ろから、エルフィが短刀でゴブリンの背中に一撃斜めに切りつけるともう一つの短刀で突き刺し後ろから止めを刺した。

横のゴブリンがエルフィにこん棒を掲げるも、エルフィは倒したゴブリンから短刀を抜き後ろにステップし距離をとる。オレも距離をとるとテリの詠唱

「ウィンドカッター!」

横からの刃状の風で二匹同時に胴を切りつけドサリとゴブリン達は残骸となった。


「…ふう、危なげなく倒せて良かったです」

息をついてテリがいう。

オレは剣を振り体液を飛ばすと鞘に納めた。


「エルフィが気配察知持ってて助かるよ」

「カインドも覚えればいいじゃない」

「コツは?」

「ちょっとピリッとすること」

「ええ?そんな?」

「あーっと、自分の位置から遠くの魔素の振動を感知する…感じかな?神経を尖らせて」

「うーん、振動か~。」

「気配察知の上に索敵があるの。わたし索敵まで覚えたいんだけどさ」

「エルフィこのままここにいると他の魔物が来ます、お話はまた後で。少し距離をとりましょう」

「そうね、カインドまた後で話そう、行こ」

「うん」


ゴブリンの死体はそのままに森に紛れるようにオレ達は進むことにした。

ゴブリンは食べられるところないし、臭うから早く離れたい。あ、くしゃい



その後コカトリス(でかい鶏さん、しっぽが蛇)がオレ達に襲い掛かってきた。

コカトリスの嘴の一撃を素早く剣で受け止める。「ガキンッ!」と剣に噛みつく硬質の音が響き渡った。


「どうやら、少し距離を取るのが遅れたみたいですね」

「ごめん~」エルフィが後方に下がりあやまる。

「レベル上げにはなる…でしょう!ウィンドカッター!」

テリは空かさずウィンドカッターで足を切りつけ動きを鈍らせる。

「上等お肉!登場♪」

「ばか」


オレは嘴の一撃を受けた後コカトリスの後方に回る。しっぽの蛇からの攻撃を剣で受ける。しっぽの蛇の動きが早いです、「ガキン!ガキン!」と何度も嚙みつきの攻撃を剣で受ける。

テリはコカトリスの正面で、嘴を避けながらコカトリスの足に追加の魔法を放っていた。

エルフィが胴体に駆け寄り横から何度も首を切りつける。コカトリスがエルフィに狙いを定めそうになると、テリが顔に向けてウィンドカッターを放った。片目に傷が入る。

「くけぇえ!!」

コカトリスはまだ元気にテリに向けて嘴を動かした。

オレは蛇の攻撃を受けつつ、何度か切りつけるが致命傷には至っていない。


「エルフィ!頑張って~!」

「いいから囮になってなさい!」

エルフィは体重が軽いからね~もうちょっと深めに…


エルフィは両手に短刀を持っていたが、片方の短刀を収め、両手で短刀を握り直した。


「おりゃあああ!」

短刀を首に突き刺すと突き刺した短刀に体重をかけ、前方に押し切った。

「くけぇえええええ!」

血が噴き出し、断末魔をあげてコカトリスの巨体が倒れた。そのすきにオレも蛇の頭に剣を突き刺す、ぱたりと蛇も動かなくなった。


「ふぅ…はぁ…大物でましたね」

「…はぁ…、はぁ……。あー、疲れた!」

「…うん。コカトリスは仕舞ってから…移動しよう…ふぅ。」

コカトリスは美味しいのでマジックバッグにしまう。羽は素材になる。


「解体させてね」

「うん…いいけど、ちょっと手伝うよ。」

胴体だけで1mほどある。2人係で解体したほうがいいよ、エルフィさんや。

「さすがにちょっと大きいですもんね」


「さぁ、ここを離れましょう」

「うん」

オレ達は足早にその場所を去った。



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