第8話 口は災いの元といいますか、やっぱり余計な事を言ったようで


翌日も昼には解体ショーが行われた。今回はランクアップ、昨日仕留めたジャイアントフロッグ。皮がはぎやすい。

「これ覚えやすいわ」

「いいね、いいね」


今日はそれに加えて回復をテリにかけて貰う予定だ。

「えっほ!えっほ!えっほ!」

オレはスクワットを100回やった。

「なにやってるんですか」

「回復かけて貰うから少し疲れようと思って」

「…」

「相変わらず面白いわね」


今回のスキル習得の流れはこんな感じだ、

テリにヒールをかけてもらって魔力の流れなんかを意識する、流れる感じがつかめたら何度かヒールを使っていく(これは移動の途中なんかでやっていくんで)。ヒールが発動したらスキルとして習得完了。


個人の能力は自分でステータスウィンドウが見れるので、確認できるんだよ。他の人のを見るには「鑑定スキル」がいるけど、教える分にはついては個人の自由です。

スキルは基本的には日常で使い続けているものを覚えていく。日常で使うものの他はその職業で使っているなどで修練度が上がっていくと覚える。でも習得しやすいかは個人差があります。

覚えにくいものもあるけど、そういう時は意識して練習するほうが習得率がいい。

あとは属性の相性なんかが加味されてスキルが発展していく場合もある。


テリから手のひらを重ねて貰い、ヒールをかけて貰う。

手を離してかけられるが、今回は魔力の流れを感じたいので接触してかけて貰うことに。戦闘中なんかはヒールを飛ばすこともできるんだよ。テリは回復役として引っ張りだこなんだけど、ヒールを飛ばすのが上手なんだよねー。あれカッコイイからオレもいつかやってみたいな~。


「…ふふっ、男2人の構図は辛くない?」

エルフィが揶揄う。

「やりづらいから言わないでくださいよ」

「エルフィ、オレの手握りたかったらいつでも言って!」

「さっさとやって貰いなさい!」


エルフィの手を握ったりしてみたいな~。にこにことエルフィを見つめた。ぺしんと頭を軽く叩かれる。

「こっちに集中しなさい」

「あ、ごめん」



「ヒール」

テリの手のひらから魔力が流れ込んでくる。手のひらが淡く光輝いた。表面を優しく撫でる感じかな?光は直ぐに消えた。ついでにスクワットの疲れが消えた。

「はい、どうでしょう?」

「うん……わかった…」


今度はオレが身体に魔力を巡らせて、テリに向かってヒールを唱えてみる。

「ヒール!」


「…」


何も発動しなかった。

「まぁ、一度で覚えられたら苦労しません。魔力の感じは理解しました?」

「うん、これからちょこちょこ唱えてみる」

「自分にもヒールかけてみていいですよ。」

「あ、そうか…疲れたらヒール使ってみる」

「魔力は半分は残しておいてくださいね」

「うんうん」


「僕も魔力回復を覚えたいと思いますから」

「へぇー」

「テリ、魔力回復って結構難しいわよね?」

「はい、上級パーティに練習のために入れて貰ったことがあって、教えてもらったんですけどね。僕も何度もチャレンジしているんですけど、まだまだのようですよ。」

みんな頑張っているなぁ、オレも頑張ろう。


「あのさ」

「なんです?」

「足からもヒールって発動するかな?」


「「は???」」


「何の需要があるのよ!!」

「あ、かっこいいかもって」

「踏んで回復される身になってみなさい」

「やだねぇ」

「踏まれたいのあんた」


「理論的には可能ですよ、今度踏んでヒールしましょう」

「テリ、カインドを思いっきり踏んであげて!」

「あ、やっぱりヤダ!やめて!」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る