第5話 エバーグローへ ちょっと遅刻したけど、それも見越して集まってる。

第5話:エバーグローへ ちょっと遅刻したけど、それも見越して集まってる。


一日のんびりと過ごして早めに眠る。明日には世界樹の森に入るのかー。小さい頃から何かしらんけど、呼ばれている感じがして行きたくて。やっとか…長く旅してきたんだな…。

ちょっとしんみり。手元のぬいぐるみを弄る。

だけど、今回はかなり心強い。さみしくない。

「それにしても、テリとエルフィに会えて良かったー!」

ベッドへと寝ころび、目を閉じた。昼寝したけど、眠れそうだ。よかった。


目が覚める。早く起きれたようだ。暫くこの家ともお別れ。もともとの荷物はマジックバックにほぼ入っている。冒険者になって食料や小道具は買ってたけど、私物はほとんど増えていない。家も寝るだけの用だった。宿よりは安くあがっています。

シャツを着て、上に調整してもらった革の防具を重ねる。

ズボン、ブーツをはく。上から革の足用のカバーを重ねる。ベルトに固定して…手の防具をつける。ジャケットを羽織りロングソードを斜めにかけて固定、オレ完成。あ、マジックバッグは冒険時には、革バッグに収納して移動しているよ。破れたら困るもんね。

家の扉を閉めて出発する。家を貸してくれた人には声をかけてあるから、たまに換気などしてくれるだろう。


のんびりと歩いて、門に向かう。既に荷物を持ったエルフィとテリを発見。

「おはよう~」

「おはよう…やはり遅刻しましたか」

「いや、まだ早いほうよ、これ。おはようカインド」


「早速、出発です」

「いってきま~す」

「出発―!」

軽く門番さんに挨拶して、グロウを出た。ここから森まで、2時間馬車に揺られる。馬車にお金を払い皆で乗り込む。それから徒歩だ。


2時間ほど馬車に乗った。馬車から降り、森へと向かう。今の時間他の冒険者はいないようだ、馬車が見えなくなったところで思い出し、エルフィとテリの旅の荷物を受け取りマジックバッグへしまう。

「沢山お話しようね!」

「緊張感を少し持ちましょう」

「テリ、カインドには無理よ。」

「まぁ、そうでしょうね」

「…よろしくおねがいします!!」



オレ達はこうして世界樹の森に足を踏み入れた。



今日は曇っている。快晴よりは移動にありがたいかな、まだ人が入っている場所なので、土が見えている道が続いている。世界樹は白い葉が特徴の木だ。遠くに一部白い所が見えている…エバーグローが見える。…枯れている感じはしないけど…、まだまだ見えてないからね。


「世界樹って今はふもとだから見えてるけど、深部に入ったら見えないんじゃない?」

「そうですよ。深部と言わず、あと…5日くらいですかね。道がなくなってくるので、それから水場を辿って行く感じです。僕は他の方と入ったことがありますから、…中腹ぐらいは行けると思います。」

「ふーん…ねぇ…今更だけど、わたしのレベルでも大丈夫なのかな」

「レベルはこれから上がると思うし、テリとオレがフォローする」

「それは分かるけど…」

「確かに深部からは魔物も強いのが出ると聞きます…。僕はまだ深部は入ったことはないんですよね。でも他の方も入って戻ってきてますからね。」

「オレは全く初めて入るし。」

「そこよね!」

少し考え込んでいるエルフィを見る。

「エルフィ、ごめんね、オレにつきあわせちゃって」

「まぁ…1人で行くくらいならついて行くわ」

「ありがとう」

「とりあえず、時間をかけて少しずつ進む予定です。深部まではまだ時間があります。僕もレベルを上げるにはいい機会だと思って行くのを決めたわけですし。最悪、戻る選択もしますよ。」

「そうね、わたしもレベル上げだと思って頑張る。」

エルフィが笑顔になる。

「オレ野営は慣れてるから、何かあったら言って?」

「わたしも野宿はしたことあるから、あんまり気にしないで」

「まぁ、エルフィも昔に比べたら、旅慣れてますから。昔は注文が多かった。」

「もう、昔のことはいわないでよー!」

「ははは!見たかった!」


まだ進む足取りは緩まない。中腹まで何日ぐらいかな?今日は進めるだけ進みたい。

魔物はまだ見えないだろう。森もまだ木漏れ日がさしていい感じだ…。


「ご飯は何にしようかな…」

「まだ食事には早いでしょ」

「どうせパンよ」


「中腹に入ったら魔物も食べないとね…中腹、食べられるの出る?」

「昆虫ばっかりだったら困るわね」

「ああ、食べられるの出ますよ」

「解体…わたしもちょっと覚えたいな…」

「食べる所なくなっちゃう」

エルフィから腕を叩かれる。

「痛いっす」

「だから教えろっていってんのよ」

「多めに狩れたらいいですね、練習用に」

「ほほほ、よろしくね」


森をどんどん入る。お昼過ぎに少し休憩を取ることにした。簡単にパンだ。白パン。

その後もどんどん森を進んで行ってすっかり暗くなるまで歩いた。今日は魔物との遭遇はなし。道のそばに少し開けた所を見つけて野営準備をする。


今日はこれでおしまい。おやすみなさい。



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