第4話 冒険の準備中、オレのバッグの中身を一部公開!!


昼前に起きてテリのいる宿に移動する。テリの宿にバッグを持って移動だ。お昼はテリの宿で食べよう。あそこお肉の煮込みが美味しい。

宿に向かってる途中でエルフィと会う。


「カインド」

「エルフィ、おはよう。」

「ちょっと早いんじゃない?」

「食堂でご飯食べようと思って」

「…そうね、あたしもお腹空いた。」


「そう言えばカインドの装備、直しが凄かったんだってね」

「ははっ!そうなんだよ、もう見違えた!」

「って、自慢する話じゃないでしょ?手入れ教えて貰ったって。…今までの手入れなんだったの?」

「…完全に自己流だったんだよね、怒られたよ。」


立ち止まり、バッグから短剣を取り出す。鞘から刀身を取り出し、少し光を反射させる。

「見て!」

「え、なにこれ!全然キレイになってる!!…いい剣だとは思ってたけど…使ってみた?」

「まだ。でも間違いなく良くなってるよね」

短剣を仕舞い、また歩き出す。エルフィが溜息をついた。

「ほとんど力任せに切ってたのが分かった…教えて貰って良かったわね」

「あは、オレ以外に触らせたくないーとか思ってたけど、後悔した。もう、全然違うのよー」

「違うのよー、じゃない…もう!」



話してるうちにテリの宿についた。

エルフィと食堂に直行し、お肉の煮込みを食べる。美味しい、肉が柔らかい。どれぐらい煮込んでるんだろう?

食べ終わってから、宿の子にテリを呼び出して貰った。


「来たんだったら、食べる前に声かけてください。」

「ごめん、あたしもお腹空いてて」

「お昼一緒が良かった?」

「そういう話じゃなくて」


テリの案内で宿の裏に移動する。テリは荷物を少し抱えてきていた。

「今日は裏の倉庫を借していただきました。バッグの中身、ここに広げていきましょう」

「ほい」

倉庫の机はキレイにしてあった。オレは次々とバッグの中身を出していく。


水の魔石、鍋、小鍋、コップ、深皿、フォークとスプーン、お玉、万能ナイフ、火打ち石、魔物除け石、魔物除け香り玉、地図、ペン、毛布、布、数枚の下着を入れた袋、シャツ、コート、革手袋、防水布、剣のお手入れセット、食パン、保存加工した硬パン、白パン、黒パン…干し肉、ジャガイモ、キャベツ、トマト、小麦粉、バター、トマトのオイル漬け、ハーブ、塩、コショウ、はちみつ、お茶、水筒、ギルドカード、直して貰った防具、短剣、ロングソード、予備のロングソード、麻の袋、肉を包む保存用の葉、ランタン、ロープ、ぬいぐるみ、小瓶、ナイトウルフの毛皮、


「パンが色々ありますね」

「結局食べるし、いいんじゃない?」

「普段からパン食べるし」

「まぁ、そうですね。私物か?結構入る…マジックバッグは(中)のようですね」

「一度見て貰ったほうがいいかなと、とりあえず旅に必要そうな分を。」

「ぬいぐるみってさ…耳あるけど…何の動物なの?魔物?」

「オレにも長年の謎なんだ…。」


テリの追加の荷物が


包帯、薬草、万能薬、止血剤、造血剤、ポーション(回復小)、MP回復薬(小)、火の魔石、鞭、ノート、ペン

「テリ結構買ったね、薬草」

「ポーションを買っても良かったんですが…、高いですし、薬草と万能薬の方が今回は重宝するかなとおもいました。MP温存したいときには使いますね、長旅は疲れますし」

「そうね、どうせ使うものだし、基本的にはテリがいるから」

「ありがたい」

「そうでしょう」


「そういやカインド、ナイトウルフの毛皮って、よく持ってたわね」

毛皮を撫でながらエルフィが言う。ナイトウルフの毛皮は、寝る時に地面に敷く。身体が冷えずにぐっすり眠れるアイテムだ。馬車に乗るときにも、振動が伝わりにくくて長旅に重宝する。買うとお高い。

「母ちゃんが持ってたやつ、見せてなかったよね?」

「そうでしょう、いい物です。…今回は使わせて貰っても?」

「いいよー」

「助かります」


「足りないものは…どうです?」

「…うーん」

「エルフィ、どうしたの?」

「予算的には厳しいかもなんだけど…、結界石欲しいかなって」


結界石は円錐の石で、地面に刺して使う。石の質にもよるが、結界石の周りは1~2m魔物がよってこない。数がいるが、結界石を多く刺すことで安全地帯の範囲が広がるというわけだ。ちょっとお高い。1つ銀貨50枚はする。エルフィはまだ結界石を持っていなかったようだ。


「あ、結界石持ってるよ?」

「ほんと!いくつ?」

「3つ」

「…あと4つは欲しいですね…、僕も持っているんで後2つ」

「カインド…1つ買って貰ってもいい?もう1つはお金出す」

「1つだったら、足りると思う」

「やったー!安全地帯~!!」

エルフィが声をあげる。かわいい。


荷物的にはこんな感じか。パーティでの長旅は初めて。マジックバッグには収まる範囲だ、優秀。森での素材も多少は持ち帰りたいので、余裕を持たせてある。と言っても、オレの見せてない私物もまだあるよ。



「明後日の早朝には出発します。待ち合わせは」

「7時に門の前に集合しましょ?」

「そうですね」

「ちょっと遠い」

「ほんのちょっとでしょう?ちゃんと起きてね。」

「起こしにきて?」

「起こさない!起きてね」


テリはそんなやりとりを黙って眺めながら

「手紙書いて送っとこう…。ぼくも許嫁に会いたい…。」

黙々とカインドのバッグへ薬草などを押し込んでいった。


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