第2話 少女と巨人


アァァァァァァァァァァァ!!!!!!!


「ハハ♪ 怒ってる 怒ってる」

 黒い髪をなびかせ、両手でチェーンソーを持つ少女は狂喜を連想される笑顔と目を見開いている。

 ド!ド!ド! 地面を揺らし少女に向かう巨人。白い体と屈強な肉体は2メートルを越えている。

 巨人は部屋の惨劇を目の当たりに怒りで少女に向かっていく。

 

 

 エレベーターを降りた先は四角い部屋になっている。扉は二つ奥に続く扉とエレベーターの扉のみ。

 部屋の中は、ただ赤い。赤い液体が飛び散り壁、地面、天井全てに降り注いでおり、部屋一面が赤く彩られている。

 白い巨人は扉を出ると目の当たりにする。赤い部屋、そして真ん中に立っている一人の少女。

   一瞬で脳が理解した


 

 少女が何をしたのか。

 なぜ部屋が赤くなったいるのか。

 少女の持つチェーンソーが全ての事実を物語っている。


 白い巨人は怒りをあらわに叫ぶ。甲高いあの声を。そして担いでいた人間を落とし、少女に向かっていく。


 

「仲間を殺されて怒ってるねー。でも・・・」

 少女は持っているチェーンソーを上に振り上げる。

「攻撃が単調 お見通し♪」

 チェーンソーの電動音と共に何かが切れたような鈍い音が部屋に響いた。


ア"ァァァァ!!!!

 白い巨人の手が少女の前から消えていた。



 白い巨人は怒りをあらわにして走る。

 少女の元に走り、拳をつきだす。当たれば少女は吹っ飛び骨にヒビが入るであろう重量と質量が少女に向かって無慈悲に伸びていく。

 だが、次の瞬間 拳は少女に届かなかった.....

 腕が届かなかったんじゃない。届く距離まで伸びいている。けれど少女は吹き飛ばず、まだ前にいる。

 

 白い巨人の腕からは手が消え、代わりに血が飛び出している。巨人は痛みに対し声を上げ腕を下げる。

 地面にむかって大量の血が流れ落ちる。

 ドボドボと水のように流れ、止まることを知らない。

 一瞬で地面には血の水溜まりが出来上がっている。

白い巨人は息をあげ、自分の腕を掴み目の前の少女を見る。


 少女は涼しげな顔で笑っている。

「手がとれちゃったね。不恰好だからもう一本いっとく??」

 フフ.....と笑いながら白い巨人を睨み付ける。


 

 獲物をなぶり、遊び、食べようとする獰猛な蛇のように


 

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