9-19 延命治療 (3) - 亀竜族と肝臓復活の儀
「――ダイチ。そろそろ起きろ」
……目を開けると仁王立ちしたインがいた。相変わらず細い脚だ。下は水に浸かっていた。
それから後方で水がちょろちょろと流れ落ちる音。竜の彫刻の口から水が流れている。
傍には俺の肩を支えている可憐な女性が2人。視線を落とせば透けた胸がある。
しばらく眠気眼でぼうっとしていたが、意識がはっきりしてくるにつれ、状況の異様さに気付く。視線を戻した。
……うん。すっきりした目覚めだ。
間もなく自分が風呂に浸かっていることに気付く。正確には至純豊水という霊水であって、風呂水じゃないことも思い出された。
「どのくらい寝てた?」
「30分くらいかの」
30分か。仮眠だな。
インの後ろにはルオとフルもいた。エヨニとタマラ以外の召使の女性たちもいて、その傍には浴槽にはこなかった研究者の男性たちもいた。
男性たちは相変わらず“フルフェイス”で不気味だ。背の低い1人の目元に明らかに人族ではない目――爬虫類の目が覗いているのに気付く。姿勢はリザードマンっぽくはなく、人族と変わらない普通の二足歩行だし、
「お加減はいかがですか?」
と、ルオ。
「すっきりしてるよ。とくに変な違和感もないし」
湯冷めしているといったこともない。
ルオはそうですか、と納得するように頷く。インから手を差し出されたので身を起こす。
体から霊水が滴ったが、すぐに滴りは終えてしまった。揮発性が高い。ちらりとタマラの胸元を見てみると透けたままだった。まるでエタノールのようだが、やはりなかなかでかい。うん。
オーシャンビューを目に入れる。空には少しだけ赤みがさしていた。
ケプラでは日没は7時過ぎくらいだったように思う。日中に終わると聞いているが、治療はいつ終えるのだろう。
「こちらの方も治療の準備が整いました。まずは肝臓の蘇生を行いたいと思いますが、よろしいですか?」
準備……広間を見てみれば、遠いので分からないが、なにか物があちこちに点在していて、床には魔法陣のようなものが描かれている。
ルオの言葉で、今まで忘れていた手術前の恐怖感――治療と名のついた得体のしれない医療行為に対する不安が蘇ってくる。
不安な気持ちのままインのことを見てしまった。インはわずかに眉をあげただけだった。
「……分かった。お願いするよ」
インにすがってもどうしようもないだろう。
もし。俺の不安を取り除くべき然るべき存在がいるとすれば、それは俺を造ったティアン・メグリンドだろう。
いまだに俺は“義母”のインしか目にしていない。血の繋がりで言えば俺の親はインの方なんだが……造った責任、産んだ責任は、ティアン・メグリンドにある。
俺の製造には確実に何らかの意図がある。七竜たちですらも知らない何かの意図が。
はずなのだが、本人がいないのでは何も話は進まない。今のところは情報もないときている。いったい彼女は何を考えていたのか。ホムンクルスの研究家であるレイジルのように狂人なら単に知的好奇心かもしれないが……。
俺は小さくため息をついた。転生後も俺は複雑な家庭環境らしい。家庭環境なんてかすむくらいの盛大な道を歩んでるけど。
ルオに服について訊ねるとガウンを着たままで構わないと告げられる。服を着たままでOKなのか。一般的には回復魔法を使うらしいし。安心はしたが、槽に入るときはさすがに脱ぐんだろう。
この後の展開を予想して憂鬱な気分になっていると、俺の内心を察したかのように「延命治療のときには脱いでいただきますが」とルオから苦い顔ながら釘を刺される。やれやれだ。
女性の1人が浴槽の近くに頭を下げながらひざまずいた。傍にはグラディエーターサンダルがある。普通に現代でもありそうなつくりだ。
そちらにお座りくださいとフルから告げられる。言われたままに浴槽の縁に座ってサンダルを履かせられるのに身を任せた。
履き終えて床に立つと、寝ている間に変わった大広間の様子がもう少し判明する。
中央部に高さのある大きな白い石があった。削られているようだが、両脇にはせり出したものがあり、変わった形だ。奥にももう1つ大きな水槽らしきものがあるようだが……あれが“槽”か?
白い石の下からは水色や黄色の線が伸びている。描かれているのはやはり魔法陣だった。魔法を使う時に出てくる魔法陣と比べると比較にならないくらい巨大だ。かつてインが俺に向けて出していた黄色い無数の矢の魔法陣とどちらが大きいだろうか。
陣容もまったく異なっている。円や六芒星などの図形が配置されているのは同じだが、圧倒的に数が違う。
そして文字量が多い。なかにはなにかを現したアイコンもあるようだが、線の傍や図形を形どる線の中にまでびっしりと文字が書かれている。
儀式魔法というワードも出ていることだし、白い石は祭壇かなにかかもしれない。
魔法陣の複雑さで言えば、俺が生まれた時に見た魔法陣や《
文字も現在進行形でタイプされていたものだし、既に文字は描き終えているこの地面に描かれた魔法陣が発動するとどういった動きをするのか、光る以外には俺は想像できない。
「では参りましょう」
フルが歩きだし、俺たちはついていく。
やがて魔法陣の仔細も分かってくる。
魔法陣の要所で刺さっていたのは杭のような、短杖のようなもので、先には緑色や青色の宝石がはめ込まれている。
図形の上には香炉も置かれてあった。陣周りには見たことのない意匠の金色の燭台と蝋燭。陣の線は水色、黄色、土色のほか、錬金術の練習で見た金属質の銀色の線もある。
「この魔法陣、踏んでも消えない?」
フルは既に魔法陣を何も気にすることなく踏んでいるが、そう訊ねてしまう。
「問題ありません。床に刻んでいますから」
刻んでるのか、これ。とくに窪んではいないようだけど。
魔法陣の中心に置いてある巨大な白い石はどうも祭壇ではないようだった。
石の両脇には“肘置き”があり、“座面”は丸く削られ、窪んでいた。言ってみればリクライニングチェアのような形に削られていた。大理石っぽい石のようだが、角はしっかり削られているし、精巧な仕上がりだ。
椅子だとするなら俺が座るんだろう。
ここでいったい俺は何をされるのか。内容は聞いてはいるのだが……。
「儀式魔法」というファンタジーワードに対する不安感がトゲのように俺に刺さってくる。骸骨や血なんかはないようだし、黒魔術的な恐ろしさはとくに感じないけども……。
奥にあるのはやはりというか槽で、巨大な水槽のような代物だった。
槽の縁には精緻な彫刻飾りがあり、形は少し違うようだが、ティアン・メグリンドの小屋にあったものと同じでガラス張りの水槽なのは違わない。
フルが立ち止まり、リクライニングチェアのような白い石に視線を向けた。
「肝臓復活の術を行う際には、氷竜様にはこちらの台座に座っていただくことになります」
台座か。
「術の精度を高めるため純度の高い錬成石を用いた台座です。術の阻害となってしまうため、台座には敷物などは置くことができませんが、ご容赦ください」
敷物の言葉に少しだけだが緊張が解ける。しかし当然のようにただの石じゃなかったか。
「そのくらい我慢するよ」
フルは微笑を浮かべて頷くと、「ボル・クルゼ」と聞き慣れない固有名詞を口にした。
男性たちの1人が一歩前に進み出た。背は俺よりも低く、体格も他の人と比べてそれほどでもない1人で、竜人族疑いのあった人だ。
「では氷竜様。この者に魔力を少量でいいので譲渡してください」
一歩前に出た男性がその相手らしいが、譲渡?
「お初にお目にかかります、氷竜様。青竜直系眷属が1つ、
眷属。ここにいるのはみんな眷属か。
男性は落ち着いた低い声でゆっくりとそう喋ったかと思うと、ベールを帽子ごと手――くすんだ緑色の渇いた鱗で覆われた分厚い手で取り払った。
あったのは鼻先のつぶれた――いや、そもそも「亀」は鼻がつぶれていたっけ?――亀の顔だった。邪魔なのか、口から伸びる数本の長いヒゲが首の後ろにまわっている。
予想外の顔にちょっと驚いて固まってしまった。
……亀ってヒゲあったっけ?
ボル・クルゼさんはゆっくりとまばたきをしたかと思うと、目を丸くして――たぶん本人的にはそう作ったのだと思う――ひょうきんな表情をつくった。
「驚かれましたかな? このキュートな顔に」
キュ、キュート? 可愛いっちゃ可愛いけど。亀は普通に好きだし。
声音は“したり顔”で、ゾフほどではないがさきほどと違い、少しのたっとした喋り方だった。
亀らしいといえば亀らしいが……体は人なので、某亀ミュータントの方を思い浮かべてしまった。とはいえ、彼らはあまり亀らしくなく、カエルのような顔だったことが思い出される。
「ボル・クルゼ」と軽くたしなめる声がフルからあがる。
と、出てきた彼の情報ウインドウには亀竜族と表示されていた。コリエシアという聞き慣れない言葉を言っていたが、一応竜らしい。
年齢は893歳。インやルオの手前いまさらではあるのだが、桁1個違うだろと内心でツッコミ。レベルの方は控えめで23だった。研究者に相応しく戦いの不得意な人なんだろうと察する。
「これはこれは失礼を。氷竜様。……いやはや。いかんせん私の顔を見て驚いてくれる者など、ここ200年ほどもなかったものでしてな。つい嬉しくなってしまいまして」
「200年も?」
「はい」
度合いが大きすぎて反応に困るが気さくな人らしい。
フルが息をついて、「ボル・クルゼはこれでも800年以上我々と共に在る者で、魔法療法とホムンクルス製造の第一人者です。少々からかう癖があると言いますか……ですが腕は確かですので」と説明してくる。893歳だもんな。
「白竜様の仰る通り、腕は確かでございますよ。このボル・クルゼ、偉大なるみなさま方の体調不良に魔力障害のごくささやかな、ですが私以外には困難ともなり得る治療の数々をはじめ、直系眷属の方の腕をくっつけたこともございますからな」
「腕を? 治療魔法ではダメなのですか?」
ついそう言葉が出てしまう。わざわざくっつけなきゃいけない理由があるのか? まあ、“本来なら”そっちの方がよさそうではあるが……。
ふむ、とボルさんは視線を落としたかと思うと、すぐに再び視線を合わせてくる。
「確かに白竜様や銀竜様ほどの聖浄魔法の使い手とあれば、治療魔法をかけることで失った手足を戻すことは造作もないことです。しかしながら、蘇生術は本来結構な時間がかかるものですし、魔力の道の復活も同様に時間がかかるものなのです。魔力の道をしっかり元通りにするのであれば、失った手足をくっつけ、それから治療魔法をかけた方がよいのです」
魔力の道。グンドゥラに魔法を教えていた時にインが言ってたやつだ。その名前の通りの魔力の通る器官かなにかなんだろうけど。
「察するに、銀竜様の右腕の魔力の道もまだ完治はされていないかと」
え? ジルにやられたやつだよな?
「あー……まあ、半分は回復しておるがの」
インを見れば少しばつが悪そうにしていた。隠そうとしていたようだ。
「回復してなかったの??」
「う、うむ。まあ、お主に魔力を与え、街々を巡っとるくらいならたいした負荷はかかっとらんよ。安心せい」
「ダイチ。インの言う通りですからご安心を」
そうか……。ルオも言うなら大丈夫なんだろう。
「何事もなければもう10日ほどでしょう、銀竜様の魔力の道がご復活なさるのは。驚くべき回復力です」
10日か。戻るのなら安心だ。
「私もそのくらいと見ておる。……さ、ダイチ。ボルの奴に魔力を渡してやれ」
インが促すのでボルさんを見れば、「では、この腕輪に向けて魔力を少量注入してくだされ」と亀の手を差し出した。
亀の手は亀の手なのだが、無色透明のダイヤモンドのような宝石がはめ込まれた金色の腕輪がその手の中にはあった。宝石の周囲には竜の翼の見事な彫刻があり、腕輪の内側には魔法言語。
「この腕輪は?」
「魔力を溜める腕輪でございますな。とくに変わった魔法付加があるわけではありませんが、今回のために可能な限り容量を増やしておる代物です」
ふうん。手を腕輪に掲げると、ボルさんの反対の手で止められ、「……ほんの少しで構いませんので。……あなた様の魔力量は銀竜様の倍以上あると聞いております」と念を押される。
頷いて、「本当に少しだけ 魔力を腕輪に」と念じつつ、注入する。たいして何も感じなかったが入ったか訊ねる。
亀の顔はじっと腕輪を見ていたが、やがてゆっくりと頷いた。
「……ええ。……入りましたとも」
とりあえず安堵すると、フルから台座に座るように言われる。
おそらく彼も眷属なのではと思うが、体格のいい男性が石の前に膝をついたかと思うと石についていた“つまみ”を引っ張った。そうして半ば抱える形でずりずりと引き出されてくるのは長方形に削られた台座と同じ石だが、つまみは上にももう1つある。同様のやり方で石を引っ張り出してくると階段になった。レトロな階段だ。
引き出された段差を登って台座に座る。触れるとひんやりとした石らしい冷たさが伝わってくる。窪みはしっかり削られていて、ほどよいくらいの深さだが、さすがに石製なので硬い。
「では準備に取り掛かるので少々お待ちくだされ」
そう言ってボルさんは台座から離れようとしたが立ち止まり、
「それと儀式中は少し肝臓が痛むかと。氷竜様の周囲には念のために結界を張らせていただきますが、ご容赦くだされ」
と、不穏な言葉を告げた。え。結界……? 痛むって。
「……痛むって?」
「氷竜様の肝臓は消耗が激しいのですな。酷使していると言ってもよいでしょう。肝臓をまずはしっかりと回復させ、それから氷竜様の魔力量に耐えうる肝臓へと再構築します。ようは氷竜様の御力に見合った肝臓へと成長と変換を促すわけですな。痛みはこの急激な変化による体への一時的な負荷というわけです」
いや、そうじゃなくて。いや、説明の内容もたいがい怖いんだが……。魔法でどうにかなるってのもわけがわからないが、俺の体どうなってるんだ。
「痛みの程度がどのくらいかなと」
ボルさんはふむ、と俺を見つめながら一考する素振りを見せた。だが、これといった言葉が浮かばなかったのか知らないが、フルに視線を寄せた。
ボルさんの視線に気づいたフルが代わりに説明してくる。
「わたくしの眷属が同様の内容の肝臓復活の儀を行ったことがありますが、右腹部のほか、右肩や右胸を痛がっておりました。右肩や右胸は体を動かすと痛みと不快感があり、腹の方は毒の果実を食べて食中毒になった時のようだと言っていました」
右肩? 子供の頃にカキにはあたったことあるけど、そんなにひどくはなかった気がするな。
「この者には儀式後にケシや薬草を煎じたものを食し、治療魔法を施しただけでしたが、今回の儀式には痛みを和らげる魔法も同時展開します。ですのでご安心ください」
ケシってそれ、アヘンのやつでは? 昔は鎮痛剤として重宝していたらしいけど……。
魔法もあるようだし、ひとまず大丈夫そうか……?
あまりぐずぐずしててもみっともないと思って納得すると、みんなが石から離れていった。
――やがて魔法陣周りに置かれた蝋燭には誰がくべることもなく“黄色い火”が灯り始め、俺の石の周りにある四方の円環だけが光を帯びた。
円環同士で繋がった線も光り始めていく。白、灰色に、桃色。色はゆっくりとその順番で変わっていき、何順かすると白になった。
そうして俺の周りはドーム状の薄灰色の膜で覆われ、次いで薄桃色の膜でも覆われた。色味は出現した時よりも薄くなると、なんとか視認ができるほどに留まった。
色で判断するなら物理防御魔法と魔法防御魔法の色だが、防御魔法は自分の体に沿って光るのに対し、魔法防御魔法は自分の周りにドーム状の膜ができる魔法だった。今回は防御魔法の方もドーム状だ。俺が展開する防御魔法より厚みもあり、魔力の密度も濃いようなので、上位魔法なのかもしれない。
緊張してくる。インとルオ、ボルさんとフルで分かれ、なにやら言葉を交わしている。俺と目線は合わない。
眷属たちが忙しなく行き来しているのを横目に、俺は台座に身を預けた。
リラックスしようとぼうっとしていると、浮かび上がってくる「結界をなぜ張るのか」という疑問。
こんな大規模な魔法だからな。まさか俺が痛みで暴れることを懸念してとか、そんな単純な理由ではないだろう。
そういえば、神樹ユラ・リデ・メルファの大結晶を使うかもとか言っていた。どこで使っているんだろう。
――待っている間に準備は着々と進行していった。
魔法陣の線はすべて色がつき、光り始めた陣容からは水色や黄色の光の粒が絶えず浮上してはやがてかき消えるのを繰り返した。文字も光っている。陣の周りでは蝋燭に灯された、ゆらめく黄色い火。
黒魔術的なおどろおどろしいものはないし、外で安穏として眺めていられたら魅入る神秘的な光景だったろうに。残念ながらそんな心境にはならない。俺にこれから行われるのは魔法治療という非科学的な超常現象だ。
インとルオができた結界に手を触れたかと思うと、そのまま結界を貫通して傍にやってくる。
「さてダイチ。こちらの準備は整ったぞ。いつでもこの儀式魔法は発動できるが、準備はよいか?」
俺は覚悟を決めて、インに頷いた。
インは俺の様子に満足気に頷くと、ルオにも頷き、2人は台座から離れていく。
しばらく経って。
漂っていた光の粒が浮上しなくなり、代わりに陣の模様が光り始める。同時に、周囲の魔素が急速的に増加し、密度も増していくのを感じた。儀式魔法が発動したのだろう。
台座が淡い光で包まれ始めた。光は台座の下からゆっくりと上り、台座を包み、やがて俺の体も光り始める。
右の腹がちくりとした。段々と痛みは強くなる。
痛みの程度は山なりに強弱をつけて俺を襲った。俺はその度に顔を引きつらせながら我慢した。
――だが、痛みはやがて我慢ができないほどになってきた。
痛い……。痛い。痛い、痛い、痛い……!!
こんなの…………食中毒なんかじゃないだろっ…………!!
右手で肘置きを掴み、左手で腹を抑えながら必死に腹の痛みを我慢していたが、一向に落ち着く気配はなく、痛みは増すばかりだった。
額から汗が幾筋も流れ、涙を含んでいたことすらも分からない。どうか今すぐに中止してほしい気持ちを抱きながらちらりと見た魔法陣の外で、ルオに両肩を掴まれているインが見えた。
イン……どうにかしてくれっ! …………腹が……痛いんだ…………!!
握っていた肘置きが握りつぶされてしまった。手前の方に握り直す。
何度祈ったか分からない「早く終わってくれ」という願いの後、腹の痛みがふっと消えた――
かと思ったが、安堵する暇もなく腹の内で見知らぬエネルギーが現れ、体内で魔力の奔流が起こった。俺の見知らぬ暴発だ。
俺の体は腹が巨大な鉤爪に掴まれたかのように浮かびあがり、そして……びくりと大きく跳ねた。
――ガア゛あ゛あああぁぁぁッッ!!!
そして、俺の体はたちまち光に包まれ、光は無情にも炸裂した――
>称号「至高の蘇生術を受けた」を獲得しました。
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